患者様の情報
60代 女性
疾患・症状
状態
40代頃から家事で腰痛は自覚されていたようですが、60歳を過ぎたあたりから歩くと右足にしびれが出現し、臀部にも痛みが出現するようになられました。病院を受診したところ、脊柱管狭窄症と診断されています。内服薬とリハビリをされていますが改善がなく、楽しみにしていた旅行にも行けなくなってしまわれました。本日、ご友人のご紹介で当院を受診されておられます。
検査
MRI検査

腰のMRI検査です。椎間板はすり減り、神経の通り道である脊柱管も非常に狭くなっています。神経症状と神経学的所見も脊柱管狭窄症に一致します。
治療
8月の旅行のために早く改善をしたいとのご希望があり、DRT法(椎間板再生治療)を選択いたしました。
Annulargram検査
Annulargram検査になります。椎間板繊維輪の損傷部分が確認されます。空気圧検査でも椎間板内圧低下が確認されましたので、減圧治療(PLDD・オゾン治療・ディスコゲル=セルゲル法)は適応外と判断し、DRT法(椎間板再生治療)を選択いたしました。
DRT法(椎間板再生治療)
DRT法を行っているところになります。椎間板が一時的に持ち上がるため腰部に鈍痛が出現することが多いですが、鎮静剤のおかげで患者様が自覚されることはありません。
治療前後のレントゲン

治療前後のレントゲンを確認して治療を終了しています。左側が治療前で右側が治療後になります。
まとめ
個人的に椎間板容量が減少している症例では、椎間板内の圧力はおおむね低下していることが多いと判断しています。椎間板内の圧力は、Annularagram検査や空気圧検査でも確認できるので、減圧治療は効果がなく、副作用の懸念もあり、適応外だと判断しています。昨日のブログにも記載しましたが、椎間板容量が明らかに減少しており、脊柱管狭窄症(CIRSEガイドラインでは禁忌疾患)を合併している患者様に18回ものPLDD治療を行うばかりか、莫大な治療費用を請求するなどありえない行為だと思います。
院長の一言
まもなく2年になります
僕がDRT法(椎間板再生治療)を受けたのが2024年の5月初旬なので、間もなく2年になりよります。2年経っての感想は、ゴルフもスキーも楽しめるようになったんですけど、一番は制限がなくなったのが良かったことかなと思います。例えばスキーなら急斜面で雪質がガチガチ(鏡のよう)の状況でも安心して滑降できる、ゴルフやったら腰痛と神経痛を気にしてしゃがむのを制限したり、コースを歩かずにカートに乗っていたのがまったく気にならなくなったことなど、症状の改善もさることながら、精神的ストレスがなくなったんがうれしいですわな。スコアは伸びてへんけども……。
さて昨日、われらが阪神タイガースはベイスターズに勝利しております。2勝1敗の勝ち越しですがな!すんまへんなあ、強すぎて。今日の広島戦もよろしゅうお願いしまっせ!!では

今回の治療法
DRT法(経皮的椎間板再生治療)
治療期間
日帰り
治療費用
1,430,000円~1,760,000円(税込)
リスク・副作用
治療後は内出血・腫れ・発赤・疼痛・かゆみ・変色・および圧痛が発生することがあります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。
禁忌事項
血液疾患に罹患中の方(血小板減少症、高度の欠乏性貧血など)、感染に伴う全身症状(発熱など)、癌・悪性腫瘍と診断され術後治療中の方は治療できません。
関連するの疾患と症状
腰部脊柱管狭窄症
腰部脊柱管狭窄症とは、背骨にある神経の通り道「脊柱管」が狭くなる疾患です。腰痛や足の神経障害、歩行困難などの症状を引き起こします。
坐骨神経痛
坐骨神経痛とは、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などを原因とし、腰から下部の臀部や脚部に痛みや痺れを感じる症状です。
この記事の著者
大阪本院 院長野中 康行
2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任、2025年:研修を経て10月に頚椎ディスクシール治療ライセンスを獲得