腰部脊柱管狭窄症/ 対象疾患と症状

腰部脊柱管狭窄症とは

椎間板(側面図)と腰部脊柱管狭窄症

背骨を横から見たイラストです。向かって右側が背中側、向かって左側がお腹側となります。背骨は大きく①背骨②椎間板➂神経④黄色靭帯の4つから出来ています。また脊髄神経は、守られるように背骨にあるトンネルの中を通っており、トンネルの名前を脊柱管と言います。
腰部脊柱管狭窄症とは、神経が通っている脊柱管と言われる骨のトンネルが狭くなる(狭窄する)病気です。神経がトンネルの中で圧迫されたり、炎症を生じることで神経痛が出現します。

骨のトンネル(脊柱管) 狭くなること(狭窄) 腰部脊柱管狭窄症

野中院長による腰部脊柱菅狭窄症の解説動画

腰部脊柱管狭窄症の発症原因

先天的要因

生まれながらに狭い場合(=先天性狭窄)や、思春期に身長が伸びるのと同じで脊柱管も思春期に広くなっていくのですが、身長が伸びない人がいるのと同じで広くならない場合(発育性の狭窄)で年齢的には30~40歳が多いです。

比較的レアケース

後天的要因

加齢によりクッションである椎間板が潰れ、背骨がグラグラと動揺してしまうことで背骨が変形したり、骨のトンネル(脊柱管)の中の靭帯が太くなった結果、狭窄症を起こしてくる場合で、年齢的には40歳以上から始まり、平均年齢は60歳以上と高齢の方に多く見られます。

原因として最多

その他の要因

過去に脊椎の外科的手術をした方や、交通事故等などで背骨を損傷した場合に骨のトンネルが狭くなることがあります。年齢はあまり関係ありません。

比較的レアケース

腰部脊柱管狭窄症の種類と症状

腰部脊柱管狭窄症になると、腰や足などの下肢に痺れや痛みが表れます。例えば、長時間正座をしていると、大腿(ふともも)の裏側にある坐骨神経が圧迫され、足が痺れ、引き続き圧迫が続くと足に痛みが出現するのと同じです。また初期の症状では神経の圧迫が強くないため、痺れや痛みが感じない状態でも、運動を行った時に圧迫が強くなり、痺れや痛みが強く出現する事があります。その様な運動時に痺れ、痛みがでる現象を間歇性跛行(かんけつせいはこう)と言います。間歇性跛行とは、歩行時にふくらはぎなどの筋肉が痛み、歩きつづけることができない状態を言います。

また、骨のトンネルは狭くなる部位によって神経痛の症状が異なります。神経痛は3つのタイプに分けられます。

  • 神経根型

    脊髄から分岐した神経根が圧迫されるタイプでは、片足のお尻や下肢に痛みや痺れを感じる症状が多いとされています。

    腰部脊柱管狭窄症(神経根型)
  • 馬尾型

    脊髄の中心部である馬尾神経を圧迫するタイプは注意が必要です。症状としては、両足の痺れやだるさ、異常感覚等が挙げられ、悪化した場合には排尿・排便障害もみられます。このような場合は、すぐに医療機関を受診するようにしましょう。

    腰部脊柱管狭窄症(馬尾型)
  • 混合型

    神経根型と馬尾型の両方の症状がみられるタイプです。

    腰部脊柱管狭窄症(混合型)

検査と治療法

病院、整形外科、専門の医療機関でのレントゲン画像・MRI検査により診断します。より詳しく椎間板や神経の状態を診断するにはMRI検査が必要となります。MRIでは腰部横からの画像、腰の真上画像を撮影することで脊柱管内の神経・靭帯・椎間板の状態をより詳しく調べることができます。また、腰部脊柱管狭窄症は画像の結果と症状が一致しないことも多くあります。当院では治療前に造影検査を行い治療箇所を確定し治療を行います。

腰部脊柱管狭窄症の治療方法は保存的療法、外科的手術、椎間板治療の大きく3つに分かれます。腰椎椎間板ヘルニアのように自然に治癒することがないため、筋力低下や高齢になるにつれて進行しやすい病気です。また、排尿障害(尿漏れや尿の排出困難)、排便障害、痛みで歩けなくなる場合や日常生活に支障がある場合は手術以外の方法で改善することは難しく、手術による治療を行います。詳しくは下記ページをご参照ください。

当院が腰部脊柱管狭窄症に対して行う治療方法

椎間板内の治療方法

当院の治療はすべて保険適応外の自由診療です

椎間板に損傷がある
タイプ

椎間板外の治療方法

椎間板内治療後に症状が残存した方が対象です

再生療法


抗炎症療法

治療症例

腰部脊柱管狭窄症の治療症例をご紹介します。中高年以上の患者さまが多く、治療中のご様子までご覧いただけます。当院の腰部脊柱管狭窄症の治療症例はこちらをご覧ください。
NLC野中腰痛クリニックの日帰り腰痛治療の実績は、 6,589件(集計期間:2018年6月~2024年12月)

右腰部の痛みと間欠性跛行(一定時間歩くとお尻や足に痛みと痺れを感じる)の症状を抱えていた患者さまです。お近くのクリニックの外来治療では改善がみられず、患者さまがゴルフをしたいとのご要望があり、当クリニックを受診されました。腰椎全体で椎間板が潰れた状態でしたので、4箇所のディスクシール治療を行いました。治療中は少し痺れが出ることもありましたが、すぐに痺れは消失しておりました。治療は20分程度で終了しました。

3年ほど前より両足の大腿裏側に神経痛を感じられ、腰に負担がかかると神経痛が強くなっていた患者さまです。最近は両足にこむら返りが出現することが多く歩行が困難になったため、当院を受診されました。椎間板が変形し潰れていたため、ディスクシール治療により症状の改善を図りました。痛みに敏感な患者さまでしたので、治療中のお声がけと十分な量の麻酔の処方を実施しました。治療時間は20分程度で、特に問題なく終了しました。

よくある質問

腰部脊柱管狭窄症について院長が解説

腰部脊柱管狭窄症とは、神経が通っている脊柱管が狭くなる病気で、神経が圧迫されることで、腰より下に痺れや痛みを感じます。腰部脊柱管狭窄症の患者さまには、「5分程度で歩けなくってしまう」「少し休憩すると楽になり、歩けるようになる」といった間欠性跛行の症状がよくみられます。当院では、まずレントゲンやMRI検査を行い、保存治療か外科的手術、または椎間板治療から適切な治療法をご提案いたします。当院のおすすめするディスクシール治療は「脊椎手術の改善がみられない」といった患者さまにも治療可能ですので、お気軽に当院にご相談ください。

また、YouTubeにて腰部脊柱管狭窄症の原因や治療法について解説しています。腰の構造から分かりやすく順序立ててお伝えしているので、まずは腰部脊柱管狭窄症について理解したいという方は是非こちらの動画をご覧ください。

医療法人蒼優会 理事長・NLC野中腰痛クリニック 大阪本院 院長:野中康行

NLC野中腰痛クリニック院長
野中 康行

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