40年以上前にぎっくり腰を発症されて以降、腰痛に悩まされてきた患者さまです。お近くの整形外科で腰椎椎間板ヘルニア・椎間板変形症などの診断を受け、最近左坐骨神経痛が出現し歩行が困難になったことにより、当院を受診されました。椎間板が損傷していたため、DST法による治療を行いました。患者さまは治療中はほとんど痛みを感じられていませんでした。治療後は約2時間ベッドでお休みいただき、帰宅されております。
変形性腰椎症/ 腰の病気の原因や症状と治療法
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変形性腰椎症とは
変形性腰椎症とは腰椎(背骨)の加齢変化で骨棘(こつきょく)と呼ばれる骨の棘ができたり、背骨が変形したりして生じる腰痛のことです。変形が進行すると腰部脊柱管狭窄症などに移行します。また、変形性腰椎症の症状が重い場合は、足の冷えやしびれを感じたり、長く歩くことができなくなったりします。
正常な椎間板


変形性腰椎症の主な原因とメカニズム

加齢や過度な運動、労働環境に遺伝などが関係しているといわれています。椎間板の主成分は水分であり、加齢とともに体内の水分量は減少していきます。また、椎間板内の水分量もこれに応じて減少します。水分量が減少すると、椎間板の弾力性が乏しくなり硬くなります。こうなることで、ちょっとした刺激が原因で椎間板に亀裂が入ります。これが椎間板損傷の原因の1つです。椎間板は一度傷がつくと修復ができない消耗品です。椎間板に負担がかかる運動や仕事は、消耗を早め、劣化を促進する原因になります。
- 椎間板変性
- 腰椎の不安定性
- 腰椎同士の接触による骨の変形、骨の棘の形成
これらの変形(変性)の進行により、骨や椎間板、神経などに損傷を加えて炎症を引き起こし、痛みが発生します。この変形(変性)に伴い、周りの関節や靭帯にも変性が波及していきます。変形が進行すると脊柱管や神経の通り道が狭くなったりする腰部脊柱管狭窄症やすべり症、側弯症などになります。
変形性腰椎症の主な症状とその特徴
腰やお尻の鈍痛・だるさ・重たさが、朝起床時・立ち上がりなどの動作の開始時・疲れた時などに起こることが多く、太ももやふくらはぎまで痛みなどの症状が出たりします。また、長時間座ったままの状態が続いたりすると痛みを感じることもあります。変形が進行している場合には、腰部脊柱管狭窄症による間欠性跛行や痺れ・感覚障害・運動障害などの神経症状が生じる可能性があります。
変形性腰椎症に対して行われる治療方法
外科的手術
外科的手術の場合、神経への圧迫を減らす手術方法が取られることが多く、腰部脊柱管狭窄症の場合、脊椎固定術といって筋肉や靭帯を切除し、不安定な骨を固定させる方法や、内視鏡を用いて一部の腰椎を削り、肥大化した靭帯を削ることで圧迫を塞ぐ方法です。しかし、手術後に炎症が治まらず改善しない、痛みが再発することもあります。この場合、椎間板や腰椎だけでなく、体質・筋肉・靭帯といった別の要因も痛みの原因として関わっていることがあるので根本的な治療とはいえません。当院ではDST法(ディスクシール治療)という治療が椎間板の修復・再生を促し、椎間板の変性を止めることで炎症を緩和させる効果が期待できます。
保存療法
薬物治療と運動療法の二つがあります。血流が滞ることによる症状の場合は、血流改善で緩和するケースもあるため血液の流れをよくする薬が処方される事もあります。運動療法の場合は、変形によりストレスが加わっている部分を悪化しないようにする運動やリハビリと生活習慣によって生じた、バランスの崩れた筋肉や関節の状態をストレスのかからない状態に修正することを行います。これらの方法でも改善が見られない場合は外科的手術も検討されます。
NLC野中腰痛クリニックの治療がどのように変形性腰椎症に効果があるのか?
変形性腰椎症の場合、神経への圧迫や症状の悪化は椎間板の変形に原因があるとされています。そのため当院では椎間板の変形を抑制することができれば骨の変形や靭帯の肥大化など、神経圧迫に関わる炎症が予防できると考えています。その治療法としてDST法(ディスクシール治療)を使った椎間板の修復・再生治療は破れてしまった線維輪を修復し、中の髄核の水分量を満たすことで椎間板機能を回復させる治療を行います。日帰りでの治療が可能で、腰に局所麻酔をし、針を椎間板に刺し薬液を注入します。治療時間は25分程度で1時間程安静にしたあと帰宅することができます。
NLC野中腰痛クリニックの腰痛治療一覧
DST法
ディスクシール治療
DST法(ディスクシール治療)は、米国の医師であるケヴィン・パウザDrが開発した治療法です。主に腰の損傷した椎間板を修復・再生させる治療法で、米国では特許が取得されている治療になります。当院は2018年6月にDST法(ディスクシール治療)のライセンスを獲得し、この治療を行っています。現在ではハーバード大学、ボストン大学の医師を含めて約20人の医師が米国でDST法(ディスクシール治療)を行っています。
DST法(ディスクシール治療)による変形性腰椎症の治療実績
当院における変形性腰椎症の治療実績をご紹介します。当院の変形性腰椎症の治療実績はこちらをご覧ください。
NLC野中腰痛クリニックの日帰り腰痛治療の実績は、5,034件(集計期間:2018年6月~2023年8月)
約10年の間、時々坐骨神経痛を感じられておりましたが、3ヵ月ほど前より歩くと強い坐骨神経痛を感じるようになった患者さまです。お近くの病院で腰部脊柱管狭窄症と診断されましたが、持病により外科的手術を断念したため、当院を受診されました。椎間板が潰れていたため、DST法により5箇所の治療を行いました。治療は約20分で終了しました。術後は1時間30分程度休憩していただき、帰宅時には足の痛みが3割程度改善されました。時間の経過によりさらに改善していく見込みです。
変形性腰椎症に関するご質問と回答
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- Q
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変形性腰椎症になったらまず何に気を付ければよいのでしょうか?
- A
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変形性腰椎症と診断されたら、まずはそれ以上椎間板の変性や骨の変性が進まないように予防することが大切です。
特に腰に負担をかける動作や作業が多いのであれば頻度を減らす、また医師のアドバイスをよく聞いて次に何をすれば良いのか判断を仰ぎましょう。
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- Q
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変形性腰椎症を患っている場合、どのような寝方をしたほうが良いですか?
- A
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仰向けの態勢で寝る場合には膝の下にクッションなど入れる、横向きで少し丸まって寝ると楽になります。
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- Q
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変形性腰椎症と腰椎椎間板ヘルニアの違いはなんですか?
- A
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腰椎椎間板ヘルニアは椎間板の中の髄核が外に飛び出て神経を圧迫し痛みが生じる場合を指します。
変形性腰椎症は椎間板の変性・靭帯の肥大・骨棘の出現などが原因で痛みが生じる場合を指します。
変形性腰椎症から腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などに変化していくことがあります。
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- Q
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手術なしで完治することはあるのでしょうか?
- A
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残念ながら、骨に変形が起きている場合は完治することはありません。
根本的な治療法を行ない症状の緩和や体質の改善を図ることで炎症を抑え、痛みの悪化・症状の進行を防ぐことは可能です。
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- Q
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治る薬はありますか?
- A
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薬は根本治療にはならないため完治することはありません。
ですが痛みを緩和するため、または血流を改善するための薬などが処方されることがあります。
強い痛みに対しては痛み止めとして服用を進める場合もあります。
また長い間、薬を服用されてきた患者様が突然薬を中止してしまうと別の痛みが生じ、副作用が起こる場合もあるので服用を継続したまま運動療法や治療を行うことで改善することもあります。
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- Q
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仕事は続けられますか?
- A
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症状の重さにもよりますが続けることは可能です。
ただし、デスクワークが多い・重労働をしているといった仕事である場合、腰への負担が大きいのでなるべくそういった作業は控える必要があります。
また、仕事環境を変えることが難しい場合は体質の改善・姿勢・筋力の改善を検討してみてください。
それらの方法で改善されれば継続することを推奨します。
改善がない場合は医療機関へ相談・診断を受けることをお勧めします。
NLC野中腰痛クリニック院長が変形性腰椎症について解説
NLC野中腰痛クリニックが対応する腰の病気一覧
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腰椎椎間板ヘルニア
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腰部脊柱管狭窄症
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坐骨神経痛
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腰椎すべり症
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椎間板変性症
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変形性腰椎症
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間欠性跛行
NLC野中腰痛クリニックホームページ監修の医師紹介
野中 康行院長

院長略歴
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- 2002年
- 川崎医科大学 卒業
医師免許取得
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- 2006年
- 神鋼加古川病院(現:加古川中央市民病院) 勤務
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- 2011年
- 医療法人青心会 郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科) 勤務
医療法人青心会 理事就任
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- 2018年
- ILC国際腰痛クリニック 開設
院長就任
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- 2020年
- 医療法人康俊会 開設
理事長就任
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- 2021年
- NLC野中腰痛クリニック 開設
院長就任
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- 2023年
- 医療法人蒼優会 開設
理事長就任
石田 貴樹副院長

副院長略歴
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- 2009年
- 高知大学 卒業
医師免許取得
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- 2012年
- 神戸市立医療センター西市民病院 勤務
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- 2013年
- 兵庫県立尼崎病院 勤務
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- 2014年
- 関西労災病院 勤務
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- 2015年
- 神戸大学医学部附属病院 勤務
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- 2018年
- 神戸大学医学部附属病院 助教就任
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- 2019年
- ILC国際腰痛クリニック 勤務
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- 2021年
- NLC野中腰痛クリニック 勤務
2年間の研修を経て2022年10月にライセンスを獲得
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- 2023年
- 医療法人蒼優会 理事就任
医療法人蒼優会 NLC野中腰痛クリニック 副院長就任
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変形性腰椎症とは、主に加齢により生じるもので、骨棘ができたり背骨が変形したりして腰痛が引き起こされる病気です。この骨棘により神経が圧迫されることで腰部脊柱管狭窄症などを発症します。変形性腰椎症の患者さまは「腰の痛み・だるみ」を朝起きた時や疲労時などに感じます。当院はDST法(ディスクシール治療)により変形性腰椎症の原因である椎間板を修復・再生することで痛みを改善します。症状がある場合は放置せず、お気楽に当院までご相談ください。
NLC野中腰痛クリニック院長
野中 康行