脊柱管狭窄症の手術療法

脊柱管狭窄症の手術方法は大きく分けて「除圧」「固定」という方法があります。
除圧術とは圧迫された神経への圧力を取り除き症状を緩和させる方法です。
神経を圧迫している腰椎(腰骨)を取り除いたり、骨をずらしたりして空間を広げます。

固定術とは骨を取り除いたことで腰椎が不安定になってしまう場合や、除圧術だけでは症状の改善が見込まれない場合に固定術を行います。
固定術には人工物を入れたり、スクリューやプレート等の金属を使用して固定します。

また近年では顕微鏡を使用した手術方法により入院期間の短縮や、手術時間の短縮によってより身体への負担が少なく、低侵襲手術が行われています。

当院では外科的手術に代わる治療法として椎間板治療を行っています。
骨と骨の間にあるクッションの役割を果たす椎間板に穿刺針という細長い針を挿入し、特殊な薬剤を入れて治療する方法です。
メスを使わず・局所麻酔のため身体への負担が少なく根本的に治療する方法です。
脊柱管狭窄症の治療には主にDST法を提案しています。

手術療法のメリットとリスク

外科的手術のメリット

症状が強くでている場合や、歩行困難、排尿障害といった日常生活に支障が出る場合には手術によって改善が期待できます。
神経の圧迫を取り除くため、手術後の1~3週間で痛みの改善が期待されます。

外科的手術のリスク

切開をする手術であるため感染症や合併症のリスクがあります。
また、手術後再発する可能性については2年以内の再発率約20~30%と言われています。
誤ってメスなどで神経に傷ができた場合、神経障害が残る可能性があります。

椎間板治療のメリット

メスを使わず、局所麻酔のため身体への負担が少なく治療後は日帰りが可能です。
また、根本的に椎間を治療することで傷ついた椎間板を修復・再生させるため椎間ヘルニア等の病気に対する予防としても治療が可能です。

椎間板治療のリスク

僅かですが感染症・合併症のリスクがあります。また治療後一時的に筋肉痛などの痛みや違和感が出現することもあります。

手術後のリハビリテーション・運動について

外科手術の場合はリハビリを行う必要があります。手術後は筋力低下や感染症、血栓症の予防を目的としてリハビリテーションを行います。
外科的手術後すぐの間は足首の運動などベッドの上でも行えるような運動を中心に実施します。
腰に負担をかけないように、ベッドアップ機能を利用しながら徐々に体を起こす練習を行います。
術後1か月以上になってきたら通常の生活ができるよう、また再発予防を兼ねて体幹や足腰の筋力訓練を行います。

当院では手術後1時間~2時間程ベッドで安静にしていただき、安静後ご帰宅となります。
ご帰宅後は治療日にお伝えしたご自宅での運動方法を試していただき、今まで続けていた運動やリハビリも1週間後には再開可能です。

脊柱管狭窄症の再発予防のための運動

手術後、症状が改善したら再発予防のため、腰回りの筋肉を鍛えましょう。
腰回りのトレーニングにはアームレッグレイズというよつん這いになって片方の足を水平にゆっくり上げていく運動が効果的です。

脊柱管狭窄症の保存療法(運動療法・薬物療法)

比較的症状が軽い場合には、内服による薬での緩和を目的にした保存療法や運動療法による治療方法を勧められることがあります。
疼痛を和らげるために痛み止めの薬や血流をよくする薬や漢方等が処方されることがあり、服用することで痛みやしびれの緩和、腰からくる冷え等の効果が期待されます。
運動療法は身体を柔らかくすることで柔軟性が高まり、疼痛の軽減、代謝および血液循環の改善にも効果があると言われています。
正しい姿勢で座る運動を意識的に行うことで身体の中にある筋肉を効果的に鍛えられます。

保存療法のメリットとリスク

保存療法のメリット

運動療法においてはいつでも始めることができ、筋力をつけることによって腰痛予防、再発予防になります。
強い疼痛を感じ、すぐに痛みを抑えたい場合に薬を飲むことで痛みを緩和することができます。
日常生活で支障が出るほど痛みが強い場合に即効性のある治療法です。

保存療法のリスク

運動療法も薬物療法も根本的な治療ではないため、完治することはありません。
そのため、運動のし過ぎや無理な運動で疼痛が強くなってしまったり、薬を飲み続けることによって効果が薄まり、十分な効果を感じられなくなったりすることがあります。

脊柱管狭窄症を再発・悪化させない!日常生活での注意点

身体を冷やさないことや、長時間の同じ姿勢は控えましょう。
背中を反らしたり、腰をひねったり、重いものを持ち上げるなど腰に負担がかかる動作や姿勢は避けるようにしてください。
しかし安静にした状態も腰にとってはあまり良くないため、当院では適度にウォーキングをしたりストレッチをすることを推奨しています。

まとめ

脊柱管狭窄症の症状が軽い場合には保存療法(薬物療法・運動療法)などの治療法があり、疼痛が強く日常生活に支障がある場合には手術を検討されます。
まずはご自身の身体がどのような状態か診断し、専門医と相談しながら治療方法を検討しましょう。
当院では外科手術とは違い、椎間板を治療する手術方法で根本的な改善や腰痛再発防止につながる治療法も提案しております。


この記事の著者

この記事の著者:野中康行院長

院長 野中 康行

NLC野中腰痛クリニックでは、DST法をはじめとする腰痛治療を行っています。海外の先進治療を導入することで、腰をはじめとする脊椎疾患に悩む患者様の治療の選択肢を広げ、症状や状態に合わせた治療を提案しております。 主に脊柱管狭窄症、すべり症、椎間板ヘルニア等の対象疾患を中心に、ご高齢の方、再手術を検討する方、短期間での社会復帰を求める方にとって体への負担の少ない治療法を提供しています。