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PIDT法(経皮的椎間板インプラント治療)/ 日帰り腰痛治療

おしらせ

当院では、患者様の安全と効果的な治療を最優先に考え、DiscoGel®を用いたPIDT法(経皮的椎間板インプラント治療)の実施を終了する判断を致しました。この決定に至った理由は下記の通りです。

  • 治療成績
    代表的な椎間板ヘルニア治療のPLDD法(経皮的レーザー椎間板減圧術)とPIDT法を比較して、治療成績に大きな差が見られない。
  • 適応疾患
    PIDT法(DiscoGel®)は椎間板のボリュームが正常時の2/3程度残っている状態の椎間板ヘルニアにのみ対応とされています。また、脊柱管狭窄症やすべり症などに施術すること認められておらず、リスクが高い割に患者様への治療効果として不十分。

以上の観点から、当院では椎間板修復・再生治療(DRT法・ディスクシール治療)が代表的な治療ではありますが、DiscoGel®には再生効果は無く、また減圧治療としてもPLDDを上回るメリットが無いと判断し、今後DiscoGel®による治療は行わない方針と致しました。当院では患者様が安心して治療を受けられるよう、安全で効果的な治療方法を選択してまいりたいと考えております。
より詳しい終了理由については、以下を御覧ください。

PIDT法(DiscoGel®)とは

経皮的椎間板インプラント治療- PERCUTANEOUS IMPLANT DISC TREATMENT

PIDT法(DiscoGel®)ライセンス

2017年10月22日ライセンス取得

DiscoGel®は、エチルアルコールとタングステン(金属粉末)が主成分です。エチルアルコールにより椎間板内の髄核を蒸散させることで椎間板の容量を減らし、ヘルニアの症状を改善させる治療機器です。また、タングステン等が椎間板内に残ることで椎間板の容量は減少しにくくなると考えられています。


注意事項

未承認医薬品等
この治療で使用されるDiscoGel®は医薬品医療機器等法上の承認を得ていない未承認医療機器ですが、日本では医師の責任において使用することができます。
入手経路等
当院で使用しているDiscoGel®はフランス・EUのGELSCOM SAS社で製造されたものを当院で個人輸入しております。「個人輸入において注意すべき医薬品などについて」のページをご覧ください。

治療の流れ

ヘルニアにより神経が圧迫され炎症が起こった椎間板
ヘルニアにより神経が圧迫され炎症が起こった椎間板。
局所麻酔下で椎間板内にDiscoGel®を挿入します。
局所麻酔下で椎間板内にDiscoGel®を挿入します。
椎間板内の水分を吸収して圧力を下げます。
椎間板内の水分を吸収して圧力を下げます。
椎間板内には異物であるタングステン(金属粉末)が残ることによって椎間板容量は増えて見えることがあります。
椎間板内には異物であるタングステン(金属粉末)が残ることによって椎間板容量は増えて見えることがあります。

PIDT法の実施終了の理由

治療成績の比較

終了理由の1点目に椎間板ヘルニア治療のPLDD法(経皮的レーザー椎間板減圧術)とPIDT法(DiscoGel®)を比較して、治療成績に大きな差が見られない点が挙げられます。下記にエビデンスを示した学術論文を引用してご説明します。

学術雑誌Korean Journal of Pain

PIDT法(DiscoGel®)とPLDD法の比較研究結果です。患者72名を無作為に抽出して痛みの評価(NRS)、腰痛障害の数値評価(ODI)、二次治療への進行事情を集めて分析を行いました。

項目PLDD法(36名)PIDT法(36名)
年齢44.6 ± 14.347.3 ± 2.0
性別(男:女)21:1522:14
喫煙者1412
持続痛(月)13.3 ± 14.210.9 ± 6.9
痛み8.0 ± 1.58.0 ± 1.8
腰痛障害83.8 ± 12.378.4 ± 14.7

全グループの治療前の平均NRSスコア(痛みの評価)は8.0でした。治療後12ヵ月の時点でPIDT法(DiscoGel®)のグループのスコアが4.3、PLDD法のグループのスコアが4.2まで減少したことが確認されました。

NRSスコア(痛みの評価)

ODIスコア(腰痛障害の数値評価)も治療前平均の81.25%から大幅に下がり、PIDT法(DiscoGel®)のグループは41.14%、PLDD法のグループは52.86%と有意な変化が示されました。

ODIスコア(腰痛障害の数値評価)

以上のことから、PLDD法もPIDT法も痛みの軽減において同等の治療効果が示されたと考えます。

当院での治療成績

項目PLDD法(25名)PIDT法(25名)
平均年齢53.257.8
性別(男:女)24:122:3
有効率(腰)75%73%
有効率(下肢の痛み)81%81%
有効率(しびれ)81%81%
PLDD法の有効率
PIDT法の有効率

当院のPLDD法(経皮的レーザー椎間板減圧術)とPIDT法(DiscoGel®)の治療患者様の有効率の追跡調査です。PLDD法(経皮的レーザー椎間板減圧術)とPIDT法(DiscoGel®)の治療成績に大きな差がないことがわかります。

適応疾患

終了理由の2点目に、治療適応の条件が厳しく、禁忌もあることが挙げられます。

治療条件

椎間板ヘルニアによる疼痛(腰痛、坐骨神経痛など)があり、4~6週間の保存的治療をしても改善がなく、椎間板の容量が2/3以上残っている場合に限ります。

禁忌

絶対的禁忌
  • 遊離した椎間板片
  • 分節不安定性(すべり症
  • 神経孔または脊柱管の狭窄(脊柱管狭窄症
  • 無症候性の椎間板膨隆
  • 未治療の感染症および椎間板炎
  • 妊娠
相対的禁忌
  • 出血性素因(手術前に矯正する必要がある)
  • 抗凝固療法(手術前に中断する必要がある)
  • 椎間板の高さが2/3以上減少した重度の椎間板変性疾患
  • 同じレベルで椎間板手術の履歴がある

コールマン医師の解説

フランスでDiscoGel®を取り入れた低侵襲の腰痛治療に従事している第一人者のコールマン医師の解説動画です。動画内(1:17~)でコールマン医師は「左の患者は明らかに椎間板ヘルニアがあり、広範囲脊柱管狭窄症も合併している場合、DiscoGel®は効果がないので外科的手術が適応となります。右の患者も同様で、椎間板ヘルニアと強い不安定性(すべり症)が見られるため手術が必要であり、DiscoGel®の適応ではありません。」と述べています。

海外の医師の見解

海外の医療専門家もDiscoGel®の有効性と安全性について懸念を示しています。多くの医師が、他の低侵襲治療法と比較してメリットが少ないと考えており、広範囲での使用を推奨していないのが現状です。(動画はビジオンド・フランス脊椎研究所の医師)

当院の方針

当院では患者様の安全と最適な治療効果を最優先に考えております。そのため、効果が限定的なPIDT法ではなく、PLDD法など安全で同様の効果が見込める治療法を提供することを決定しました。今後はDiscoGel®を使用した治療(PIDT法)を行う予定はございませんので、ご理解ください。
また、2018年より現在までにおいて当院でPIDT法(旧PIDD法)を受けられた患者様は、海外の適応基準に準じて治療を行っており、適応外使用は一切行ってはおりません。その点はご安心頂き、ご不安にならない様にお願い申し上げます。
既に治療を受けられた方へのフォローは、引き続きさせていただきます。
ご不明点やご不安点がございましたら、遠慮なくお問い合わせください。

よくある質問と回答

参考文献

出典論文

  • Asra Asgharzadeh, Naeimeh Khoshnood. Evaluating the Safety and Efficacy of Discogel in the Treatment of Herniated Lumbar Disc: A Systematic Review. Health Technology Assessment in Action, Vol 1, No 1 (2017)
    論文はこちら(英語)
  • Salvatore Masala, et al. Overview on Percutaneous Therapies of Disc Diseases. Medicina (Kaunas). 2019 Aug; 55(8)
    論文はこちら(英語)
  • Effectiveness of intradiscal injection of radiopaque gelified ethanol (DiscoGel®) versus percutaneous laser disc decompression in patients with chronic radicular low back pain,Korean J Pain. 2020 Jan; 33(1): 66–72.
    論文はこちら(英語)

DiscoGel®

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