3年前に追突事故に遭われてから後頚部の痛みが持続している状態です。事故後は1年間のリハビリを行われましたが、ほとんど改善が無いまま現在に至っています。頸部のMRI検査となります。C4/5、C5/6、C6/7椎間板に変形とヘルニアが見られます。症状からも頚椎症と診断されます。頸椎椎間板に対してAnnulargram検査を行ったところ、繊維輪損傷が確認されたのでディスクシール治療を行いました。治療直後は頸部の違和感を感じられていましたが、後頚部の痛みは半減しており治療効果が期待できます。
頚椎症/ 対象疾患と症状
頚椎症とは
頚椎症とは、加齢などにより首の骨(頚椎)や椎間板、靭帯が変形・変性し、神経根や脊髄を圧迫して首・肩・腕に痛みやしびれを生じる疾患の総称です。
頚椎は7つの椎骨で構成されており、加齢に伴い椎間板の水分が減少して薄くなる、骨棘と呼ばれる骨のトゲが形成される、靭帯が肥厚して脊柱管が狭くなる──といった変化が複合的に起こります。これらの変化が神経を圧迫すると痛みやしびれとなって現れます。頚椎症は50代以上に多く見られますが、長時間のデスクワークやスマートフォンの使用が日常化した現代では40代以下でも増加傾向にあります。
頚椎症は、圧迫される神経の部位によって2つのタイプに分類されます。症状の現れ方や重症度が異なり、治療方針にも影響します。
頚椎症性神経根症
中等度の頚椎症です。椎間孔を通る神経根が圧迫され、主に首から上肢の痛みや痺れの症状が出ます。自然軽快する場合もありますが、再発を繰り返すことがあるタイプです。
頚椎症性脊髄症
重度の頚椎症です。脊柱管内の脊髄が圧迫され、両手の痺れや歩行時のふらつき、排尿障害といった症状が出ます。自然軽快しにくく、日常生活に支障が出るタイプです。
頚椎症の原因とメカニズム
頚椎症の主な原因
頚椎症の主な原因は加齢による頚椎の経年変化です。ただし、日常生活の習慣や首への負荷も進行を早める要因となります。
加齢
椎間板の水分減少、骨棘の形成、靭帯の肥厚が進行します。
不良姿勢
ストレートネック、猫背、うつむき姿勢の長時間持続すると負荷がかかります。
首への反復負荷
デスクワーク、スマホ操作、首の反復動作などが負担になります。
体質・遺伝
脊柱管がもともと狭い体質の方は症状が出やすいです。
頚椎症のメカニズム
頚椎症は椎間板の変性に加えて骨棘の形成や靭帯の肥厚など複合的な変化によって神経が圧迫される疾患です。
正常な椎間板
髄核が水分に満たされ、線維輪がしっかり髄核を包んでいる状態です。
椎間板の変性
加齢により椎間板の水分が減少し、弾力性が失われます。椎間板が薄くなり、椎骨同士の間隔が狭くなります。
骨棘が形成
椎骨に過剰な負荷がかかり、骨が棘のように突出します。変性が神経を圧迫した場合にはじめて「頚椎症」として症状が現れます。
頚椎症の症状と特徴
頚椎症の症状は、首や肩の痛みだけでなく腕や手にまで広がることがあります。「年齢のせいだから仕方ない」と思われがちですが、適切な治療で改善できる場合があります。
部位別の主な症状
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首の痛み、首のこり、首の可動域制限、首を動かすと痛い
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肩の痛み、肩こり、肩甲骨付近の痛み
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腕のしびれ、腕の痛み、腕の重だるさ
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手のしびれ、握力の低下、手の巧緻運動障害
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歩行障害、足のしびれ(脊髄症の場合)
日常生活で気づく典型的なサイン
- 朝起きると首が痛い・こっている
- 首を後ろに反らすと痛みやしびれが出る
- 腕や手にしびれを感じることがある
- 肩甲骨のあたりに鈍い痛みがある
- ペットボトルのキャップが開けにくい
- シャツのボタンを掛けるのに手間取る
- 字を書くときに手がうまく動かない
- 階段を降りるときに足がもたつく
2つ以上当てはまる方は頚椎症の可能性があります。
頚椎症の検査と診断
頚椎症の診断は、症状の問診、身体の診察、画像検査を組み合わせて総合的に行います。
検査方法
- 問診・身体診察
症状の経過、しびれの部位、日常生活の支障を確認 - レントゲン検査
椎間板の高さの減少、骨棘の形成、椎間孔の狭小化を確認 - MRI検査
椎間板・靭帯の状態、脊柱管の狭窄度、脊髄・神経根の圧迫状態を詳細に確認
頚椎症の診断において最も重要なのはMRI検査です。レントゲンで骨棘や椎間板の変性は確認できますが、脊髄や神経根の圧迫状態はMRIでなければ正確に評価できません。当院の大阪本院にはMRI設備を備えており、院内で撮影が可能です。当院ではMRI画像で来院前に治療の可否が分かる無料画像相談を行っておりますので、是非ご利用ください。
頚椎症に対する当院の治療
当院では、頚椎症に対して頚椎ディスクシール治療を行っています。頚椎症は複合的な変化で起こる疾患ですが、その起点となるのは椎間板の変性(老化・損傷)です。椎間板が変性して薄くなると椎骨同士の間隔が狭まり、骨棘が形成され、靭帯が肥厚し、脊柱管が狭くなります。つまり、椎間板の変性が頚椎症の「起点」であり、骨棘や靭帯の変化はその「結果」です。当院の頚椎ディスクシール治療は、この起点である椎間板の損傷を修復することで、頚椎症の進行を抑制する治療法です。
頚椎ディスクシール治療の治療症例
当院の頚椎に対するディスクシール治療の治療症例をご紹介します。当院の頚椎症の治療症例はこちらをご覧ください。野中腰痛クリニックの日帰り椎間板治療の実績は、8,129件(集計期間:2018年6月~2026年3月)です。
頚椎症のよくある質問
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- Q
- 頚椎症は加齢現象なので治療しても仕方がないのでは?
- A
- 画像検査上の変性は加齢に伴うものですが、「変性がある」ことと「症状がある」ことは別です。神経を圧迫して痛みやしびれが出ている場合は治療対象であり、椎間板を修復することで症状の改善が期待できます。
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- Q
- 頚椎症と頚椎椎間板ヘルニアは何が違いますか?
- A
- 頚椎椎間板ヘルニアは椎間板の髄核が飛び出して神経を圧迫する疾患です。頚椎症は椎間板の変性に加えて骨棘の形成や靭帯の肥厚など複合的な変化によって神経が圧迫される疾患です。両者は併発することが多くあります。頚椎椎間板ヘルニアについてはこちら。
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- Q
- 頚椎症性神経根症と脊髄症はどちらが深刻ですか?
- A
- 脊髄症の方がより深刻です。神経根症は片側の症状で自然軽快する場合もありますが、脊髄症は両手・両足に症状が出て、放置すると歩行障害や排尿障害に進行する可能性があるため、早めの対応が重要です。
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- Q
- 頚椎症は自然に治りますか?
- A
- 神経根症の症状は数週間〜数ヵ月で自然軽快する場合がありますが、椎間板の変性や骨棘といった構造的な変化は自然には元に戻りません。そのため症状が再発することがあります。
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- Q
- 肩こりがひどいのですが頚椎症の可能性はありますか?
- A
- 頚椎症が原因の肩こり・肩の痛みは少なくありません。特に肩こりに加えて腕や手のしびれがある場合は頚椎症の可能性がありますので、一度検査を受けることをおすすめします。
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- Q
- ストレートネックと頚椎症は関係がありますか?
- A
- ストレートネックは頚椎の自然な前弯(カーブ)が失われた状態で、椎間板への負荷が偏りやすくなります。直接の原因ではありませんが、頚椎の変性を早める要因の一つと考えられています。
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- Q
- 治療の効果はいつ頃から実感できますか?
- A
- ディスクシール治療は椎間板の修復を促す治療のため、効果の実感には時間がかかります。個人差がありますが、1〜3ヵ月かけて徐々に症状が改善していきます。
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- Q
- すでに骨棘がある場合でも治療できますか?
- A
- 骨棘自体をディスクシール治療で除去することはできませんが、椎間板の損傷を修復することで、これ以上の変性の進行を抑制し、現在の症状の改善を図ることが可能です。
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- Q
- 外科手術を受けた後でも当院で治療できますか?
- A
- 固定術をされている場合は適応外となります。除圧術後の再発につきましては一度診断の上、判断させていただいておりますので、まずは無料画像相談をご利用ください。
頚椎症について院長が解説
頚椎症は「年齢のせい」と片付けられがちな疾患ですが、痛みやしびれがあるということは神経が圧迫されているということであり、適切な治療で改善できる可能性があります。特にデスクワークやスマートフォンの長時間使用が当たり前になった現代では、以前よりも若い世代の方にも頚椎の変性が見られるようになりました。頚椎症のさまざまな変化の「起点」は椎間板の変性です。当院のディスクシール治療は、この起点にアプローチすることで症状の改善と進行の抑制を図ります。首の痛みや腕のしびれでお悩みの方は、まずは無料画像相談をご利用ください。
野中腰痛クリニック院長
野中 康行
背骨のお役立ち情報
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