5年以上前より頚部痛と慢性の肩こりがありましたが、今年になって肩甲骨付近まで鈍痛が広がっておられます。ストレスが原因だと考え放置していましたが、今回、親戚の方が当院で頚椎治療を受けられた縁から受診されています。MRI検査では、C4/5、C5/6、C6/7に存在する椎間板に変形が見られ、容量も減少気味であり、ヘルニアも認めます。頚椎椎間板変性症と判断しました。頚部から肩甲骨にかけての疼痛原因となります。ディスクシール治療の有効率は84%と高く、有益である事をご説明し治療となりました。治療時間は15分で、患者様は鎮静剤を使用するため痛みや不安を感じられることはありませんでした。
頚椎椎間板変性症/ 対象疾患と症状
頚椎椎間板変性症とは
頚椎椎間板変性症とは、首の骨(頚椎)の間にある椎間板が加齢や繰り返しの負荷によって損傷・老化し、水分が減少してクッション機能が低下する疾患です。椎間板は髄核と線維輪の2つの組織で構成されています。正常な椎間板の髄核は約80%が水分で満たされ、衝撃を吸収するクッションの役割を果たしています。しかし加齢や損傷により水分が減少すると椎間板は弾力を失い、薄くつぶれた状態になります。頚椎椎間板変性症は画像検査上は非常に多くの方に見られますが、すべての方に症状が出るわけではありません。変性が進行して神経を圧迫したり、椎間板自体が痛みの発生源(椎間板性疼痛)となった場合に症状が現れます。
頚椎椎間板変性症の原因とメカニズム
加齢や過度な運動、労働環境に遺伝などが関係していると言われています。椎間板の主成分は水分であり、加齢とともに体内の水分量は減少していきます。また、椎間板内の水分量もこれに応じて減少します。水分量が減少すると、椎間板の弾力性が乏しくなり硬くなります。こうなることで、ちょっとした刺激が原因で椎間板に亀裂が入ります。これが椎間板損傷の原因の1つです。椎間板は一度傷がつくと修復ができない消耗品です。椎間板に負担がかかる運動や仕事は、消耗を早め、劣化を促進する原因になります。
加齢による変性
椎間板の水分が減少し、線維輪に亀裂が入りやすくなります。
不良姿勢
長時間の前かがみ姿勢や猫背が頚椎に負荷をかけます。
首への反復負荷
デスクワーク、スマホ操作、首の反復動作などが負担になります。
喫煙
椎間板への血流が低下し、変性が促進されます。
頚椎椎間板変性症の症状と特徴
椎椎間板変性症の症状は大きく2つに分けられます。椎間板自体が痛みの原因となる「椎間板性疼痛」と、変性の進行により神経が圧迫されて起こる「神経症状」です。椎間板に入った亀裂から髄核が漏れ出して頚椎椎間板ヘルニアとなり、神経を傷つけます。傷がつくことで神経に炎症が生じて、首の痛みやこり、腕や手のしびれなどの症状が発生します。
炎症
炎症とは、体の傷を修復する際に生じる反応で、痛みや腫れ、発熱などが生じる事を指します。また、椎間板の劣化により椎間板の厚みが減少し、骨と骨との距離が近づくことで衝突しやすくなります。骨が衝突を繰り返すと骨棘(こつきょく)と呼ばれる骨の棘ができたり、椎体そのものの変形が生じたりし、頚椎症になります。この変形により骨の表面や周囲の組織などに炎症が生じて、神経由来の症状の他に首や肩などに新たな痛みが発生します。炎症が慢性化した場合は、それは今まで積み重ねてきた痛みの蓄積により体が痛みに対して過敏になるので、手術をした後も痛みが治まらないことがあります。
日常生活で気づく典型的なサイン
- 朝起きると首がこわばっている
- 長時間のデスクワーク後に首が痛くなる
- 首を左右に向けにくくなった
- 首を動かすとゴリゴリ・ミシミシ音がする
- 慢性的に首が重だるい
- 枕が合わない気がする(何度変えても)
- 首の痛みが肩や腕にまで広がることがある
2つ以上当てはまる方は頚椎椎間板変性症の可能性があります。
頚椎椎間板変性症の検査と診断
頚椎椎間板変性症の診断は、症状の問診、身体の診察、画像検査を組み合わせて総合的に行います。
検査方法
- 問診・身体診察
首の痛みの経過、悪化する動作、しびれの有無を確認。 - レントゲン検査
椎間板の高さの減少、骨棘の有無、頚椎のアライメント(並び)を確認。 - MRI検査
椎間板の水分量、線維輪の亀裂、神経の圧迫状態を詳細に確認。変性した椎間板はMRIで黒く映る(正常は白い)。変性の程度の評価に最も重要。
MRI検査では、正常な椎間板は白く明るく映り、変性した椎間板は黒く暗く映ります。これは椎間板内の水分が減少し、クッション機能が低下していることを表します。しかし、画像上の変性があっても、無症状の方もおられます。痛みやしびれがある場合は治療の対象となりますので、専門医による診察が重要です。当院ではMRI画像で来院前に治療の可否が分かる無料画像相談を行っておりますので、是非ご利用ください。
頚椎椎間板変性症に対する当院の治療
当院では、頚椎椎間板変性症に対して頚椎ディスクシール治療を行っています。外科的手術は飛び出した髄核を除去・減圧する治療ですが、線維輪の亀裂そのものを塞ぐ治療ではありません。そのため、椎間板の損傷が残る可能性があります。当院の頚椎ディスクシール治療は、この線維輪の亀裂を塞ぐことで髄核の漏出を防ぎ、椎間板の修復を促進します。
頚椎ディスクシール治療の治療症例
当院の頚椎に対するディスクシール治療の治療症例をご紹介します。当院の頚椎椎間板変性症の治療症例はこちらをご覧ください。野中腰痛クリニックの日帰り椎間板治療の実績は、8,129件(集計期間:2018年6月~2026年3月)です。
頚椎椎間板変性症のよくある質問
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- Q
- 頚椎椎間板変性症は病気ですか?加齢現象ではないですか?
- A
- 椎間板の変性自体は加齢に伴う自然な変化です。ただし、変性によって痛みやしびれが生じている場合は治療対象となる「疾患」です。「年齢のせい」と放置すると、ヘルニアや頚椎症に進行する可能性があります。
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- Q
- 肩こりと頚椎椎間板変性症はどう違いますか?
- A
- 一般的な肩こりは筋肉の緊張が主な原因で、マッサージやストレッチで改善することが多いです。一方、椎間板変性症が原因の首の痛みやこりは、マッサージや枕を変えても改善しないことが特徴です。「何をしても治らない慢性的な首のこり」は椎間板が原因(椎間板性疼痛)の可能性があります。MRI検査で椎間板の状態を確認することをおすすめします。
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- Q
- ストレートネックと頚椎椎間板変性症は関係ありますか?
- A
- 関係があります。ストレートネック(頚椎の正常なカーブが失われた状態)は、頚椎への負荷を増大させ、椎間板変性を促進する要因となります。また、椎間板変性が進行するとさらにアライメントが崩れるという悪循環も起こり得ます。ストレートネックを指摘されたことがある方は椎間板の状態も確認しておくことをおすすめします。
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- Q
- 頚椎椎間板変性症と頚椎椎間板ヘルニアは何が違いますか?
- A
- 椎間板変性症は椎間板が老化・損傷して薄くなる疾患です。ヘルニアは椎間板の髄核が飛び出して神経を圧迫する疾患です。変性症が進行するとヘルニアに発展する場合があり、両者は連続した疾患と言えます。
頚椎椎間板ヘルニアについて詳しくはこちら
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- Q
- 頚椎椎間板変性症と頚椎症は同じですか?
- A
- 異なる疾患ですが関連しています。椎間板変性症は椎間板の変性が主な問題です。頚椎症は椎間板変性に加えて骨棘の形成や靭帯の肥厚など複合的な変化を含みます。椎間板変性症は頚椎症の「入口」となる疾患と言えます。
頚椎症について詳しくはこちら
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- Q
- 整体やマッサージで治りますか?
- A
- 整体やマッサージは筋肉の緊張をほぐし、一時的に症状を和らげる効果がありますが、椎間板の損傷を修復する治療ではありません。椎間板変性が原因の場合、根本的な改善には椎間板自体の修復治療が必要です。
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- Q
- 予防する方法はありますか?
- A
- 椎間板の変性を完全に防ぐことはできませんが、進行を遅らせることが期待できる習慣はあります。(例:長時間のうつむき姿勢を避ける / 1時間に1回は首のストレッチをする / 首周りの筋力を維持する / 禁煙する / 自分に合った枕を使う)
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- Q
- 治療の効果はいつ頃から実感できますか?
- A
- ディスクシール治療は椎間板の修復を促す治療のため、効果の実感には時間がかかります。個人差がありますが、1〜3ヵ月かけて徐々に症状が改善していきます。
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- Q
- 治療後に首のこりが完全になくなりますか?
- A
- 椎間板の損傷が原因のこり・痛みは改善が期待できますが、筋肉の緊張や姿勢が原因のこりは別途対処が必要です。治療後もデスクワーク中の姿勢改善やストレッチの継続をおすすめします。
頚椎椎間板変性症について院長が解説
「何年も肩こりで悩んでいる」「整体や枕を変えても首のこりが治らない」──そういった方の中に、実は椎間板変性症が原因のケースが少なくありません。肩こりは筋肉の問題、椎間板変性症は椎間板の構造的な問題です。原因が異なるため、いくら筋肉をほぐしても椎間板が原因のこりは根本的には改善しません。当院では、ディスクシール治療を行うことで、椎間板の損傷を修復し、将来のより深刻な疾患への進行を防ぐことが可能です。慢性的な首のこり・痛みでお悩みの方は、まずは無料画像相談をご利用ください。
野中腰痛クリニック院長
野中 康行
背骨のお役立ち情報
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