Evidence Based Medicine
Evidence Based Medicineは、科学的根拠(エビデンス)・臨床経験・患者の価値観を統合して最適な医療を行う考え方です。このエビデンスには信頼性に関する明確な格付けが存在し、権威性・信頼性の高い論文から治療の適応や治療範囲を確認できます。また、海外で承認されている医療機器の場合、ガイドラインが存在するため、患者さま自身でも確認することが重要だと考えています。
医学論文の格付け
医学論文のエビデンスは、研究デザインごとに信頼性の格付け(ヒエラルキー)を持ちます。以下は臨床でよく用いられる実用的な5段階のピラミッド構造です。
5段階の医学論文
- 症例報告
- コホート研究
- 非ランダム化比較試験
- ランダム化比較試験(RCT)
- システマティックレビュー / メタアナリシス

下記はディスコゲル治療(別称:セルゲル法)に関する医学論文を例にしています。
症例報告
エビデンスレベル:低
症例報告は、単一または少数の症例を記述し、新しい知見の手がかりを示す研究です。
経皮的ゼリー化エタノールによる頸椎椎間板性疼痛治療:初期経験


コホート研究
エビデンスレベル:中
コホート研究は、特定集団を追跡し、曝露と結果の関連を観察する研究です。
非ランダム化比較試験
エビデンスレベル:中~やや高
無作為割付なしで介入群と対照群を比較する研究です。
慢性神経根性腰痛患者におけるX線不透過性ゼラチン化エタノール(ディスコゲル)の椎間板内注射と経皮的レーザー椎間板減圧術の有効性比較


ランダム化比較試験(RCT)
エビデンスレベル:高
対象を無作為に割り付けて介入効果を検証する研究です。
システマティックレビュー/メタアナリシス
エビデンスレベル:最高
複数研究を体系的に収集・統合して総合的な結論を導く研究です。
腰椎椎間板ヘルニアの治療におけるディスコゲルの安全性と有効性の評価


ガイドライン
複数の研究エビデンスを体系的に評価・統合し、臨床判断を支援するために推奨を示した指針です。
椎間板経皮的治療のための品質保証ガイドライン



まとめ
Evidence Based Medicine
当院では、最新の医学的根拠に基づくEvidence Based Medicine(EBM)を重視し、科学的エビデンスと臨床経験、患者様の価値観を踏まえた診療を行っています。
この記事の著者
大阪本院 院長野中 康行
2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任、2025年:研修を経て10月に頚椎ディスクシール治療ライセンスを獲得