患者様の情報
60代 男性
疾患・症状
患者様の状態
もともと運動がお好きで、特にバスケットボールなどをよくされておられましたが、10年前より膝より下の部分にしびれが出現するようになり、運動が十分にできなくなってしまわれました。近くの整形外科では椎間板ヘルニアと診断され、内服薬がだされるも改善が乏しい状態が持続している事から、当クリニックを受診されました。
診察と検査結果
腰のMRI検査ですが、腰を真横から観察しており、向かって左側がお腹側、右側が背中側となります。腰は腰椎と呼ばれる比較的小さな骨が縦に並んで出来ており、腰椎と腰椎の間にはクッションである椎間板が存在しております。このMRI検査では第5腰椎と仙骨の間にある椎間板が潰れており、下肢の神経症状の原因と考えられます。
施術内容
ディスクシール治療(Discseel® Procedure)
潰れた椎間板をディスクシール治療(Discseel® Procedure)により、修復再生させることで神経症状(痺れ)の改善を図ります。痺れの改善に関して有効率は73%となっております。今回は腰部椎間板L5/Sの1箇所にディスクシール治療(Discseel® Procedure)を行いました。
鎮静剤は使用せず局所麻酔のみでの治療をご希望されました。
しっかりと麻酔を行っております。
椎間板が潰れている為、治療用の管を挿入する際に工夫が必要となりました。この写真では悩んでいるところになります。
椎間板の検査を行っているところです。黒く映る部分がディスクシール治療(Discseel® Procedure)を行うべき箇所となります。治療時間は12分であり、2時間後には帰宅していただきました。
院長より一言
最近、非常に忙しくしております。朝7時前にクリニックに入り、遠隔画像相談等のデータ入力を行い、診察から治療を行い、昼食は取れない日々が続いております。私事ではありますが、健康診断(人間ドック)を受ける事に致しました。全身を検査する事はあっても、検査される事は初めてであり、少し緊張しております。皆様も健康には十分ご留意していただければと思います。
治療法
ディスクシール治療(Discseel® Procedure)
治療期間
日帰り
治療費用
1,320,000円~1,650,000円(税込)
リスク・副作用
治療後2週間程度は一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。
この記事の著者
医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行
2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任
腰椎椎間板ヘルニア
腰椎椎間板ヘルニアとは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が外に飛び出し神経を圧迫する疾患です。坐骨神経痛、ぎっくり腰などの症状を引き起こします。
椎間板変性症
椎間板変性症とは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が変形する疾患です。椎間板の変形により、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症やすべり症など様々な病気につながる恐れがあります。
坐骨神経痛
坐骨神経痛とは、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症などを原因とし、腰から下部の臀部や脚に痛みやしびれを感じる症状です。