背骨のお役立ち情報 / 院長ブログ

椎間板ヘルニアが治らない原因は「穴」?椎間板造影検査の真実と最新腰痛治療

はじめに

「何度もぎっくり腰を繰り返す」「湿布や痛み止めを飲んでも腰痛が改善しない」……。
そんな長引く腰痛の裏には、実は椎間板(ついかんばん)の損傷が進行しているかもしれません。
今回は、椎間板の損傷を可視化する「椎間板造影検査」の目的や、従来の治療法との違い、そして根本原因にアプローチする最新の修復治療について、石田副院長が詳しく解説します。


動画で詳しく見たい方はこちら▼

目次

なぜ腰痛は「慢性化」するのか?

一般的に、炎症が3ヶ月以上続く状態を「慢性期」と呼びます。椎間板が慢性的な炎症を起こすと、主に以下の3つのトラブルが発生します。

椎間板の障害

本来、椎間板の中身(髄核)は外に漏れず、外の組織も中に入らないよう隔離されていますが、これが崩れると免疫的に炎症が起きるため椎間板のトラブルに繋がります。

画像は椎間板の説明

周囲組織へのダメージ

炎症が続くと炎症のレベルも変わります。血管や微小な神経、周囲の筋肉や靭帯にまで悪影響が及びます 。

画像は椎間板外組織の説明

神経との癒着

炎症が続くことにより神経と組織が癒着を起こすことがあります。その結果、炎症の慢性化やさらなる痛みの出現に繋がります。

画像は炎症と癒着の説明

椎間板の中で起きている「異常事態」

椎間板は、外側の「線維輪(せんいりん)」と中身の「髄核(ずいかく)」の二層構造になっています 。本来、椎間板の内部には血管や神経は存在しません 。しかし、線維輪に亀裂(穴)が入ると、腰の痛みや足のしびれに繋がります。

中身が漏れ出す

線維輪が損傷することにより内部の成分が漏れ、免疫反応による炎症が起きます 。

画像は線維輪の損傷の説明

血管と神経の侵入

線維輪が損傷すると、椎間板内には本来ないはずの血管や神経が、外から中へ(亀裂を利用し)入り込みます。

画像は血管の侵入

痛みを感じる組織へ変質

これにより、本来痛みを感じないはずの椎間板そのものが、痛みを感じる組織に変わってしまうのです。

画像は椎間板の変化の説明

従来の「椎間板造影検査」の限界

古くから、椎間板が原因の痛みを確認するために「造影剤」を入れる検査が行われてきました 。従来の検査は、造影剤を入れた際の刺激で「あえて痛みを誘発させる」ことが目的でした。「痛みが再現されれば、そこが原因だ」と判断するのです 。しかし、この方法には大きな問題がありました。

再現性が低い

炎症があれば必ずしも痛みが出るとは限りません。逆に、痛みがなければ炎症が起きていないかというと一概にそうとも言い切れません。判断に迷うケースが多いことが課題となります。

画像は造影剤検査の説明

手技の煩雑さ

検査手技の煩雑さがリスクとして懸念点となります。また、原因が分かっても、治療は痛み止めやステロイド注射などの対処療法がメインとなることも課題でした。

画像は造影検査の説明

限定的な効果

効果が限定的な点も大きな問題点です。そのため検査自体もあまり広まっていない現状です。

画像は造影検査の課題の説明

根本改善を目指す「椎間板修復治療」

線維輪が割れて中身が漏れ出していることが炎症に繋がります。漏れ出しを止めることにより急性期の炎症は治まりやすく、慢性化した症状の改善も期待できます。炎症を抑えるために椎間板修復治療は効果的と言えます。

ディスクシール治療

アメリカで開発された、椎間板の穴を塞いで漏れを止める治療です。漏れを止めることにより周りの炎症を抑える治療法です。局所麻酔と穿刺針のみで治療が完結するので、ご高齢の方や外科手術を避けたい方にも安心して治療を受けていただけます。

画像はディスクシール治療の説明

DRT法

患者様の血液から抽出したCPG因子(椎間板を修復する成長因子やたんぱく質が含まれているもの)と薬剤を椎間板内に注入することにより、線維輪と周辺組織の修復を期待する治療法になります。

画像はDRT法の説明

まとめ

従来の「痛みと付き合う」対処療法では、一度破綻した椎間板の構造を治すことは困難です。もし、繰り返す腰痛にお悩みでしたら、それは椎間板の「穴」が原因かもしれません。「自分の椎間板がどうなっているのか詳しく知りたい」「根本から治したい」という方は、ぜひ一度ご相談ください。

ご質問があれば、お気軽にお問い合わせください。MRI画像からあなたの症状に合わせた治療を提案いたします。

今回ご紹介した当院の治療法

ディスクシール治療

DRT法


この記事の著者

野中腰痛クリニック 大阪本院 副院長:石田貴樹

大阪本院 副院長石田 貴樹

2009年:高知大学卒業・医師免許取得、2012年:神戸市立医療センター西市民病院勤務、2013年:兵庫県立尼崎病院勤務、2014年:関西労災病院勤務、2019年:ILC国際腰痛クリニック勤務、2021年:野中腰痛クリニック勤務、2022年:2年間の研修を経て10月にライセンスを獲得、2023年:医療法人蒼優会理事就任・野中腰痛クリニック副院長就任、2025年:研修を経て10月に頚椎ディスクシール治療ライセンスを獲得


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