背骨のお役立ち情報 / 院長ブログ

【PRP治療の課題点とは?】ディスクシール治療との違いを徹底解剖!

はじめに

腰の痛みに悩む患者様から、日々多くのご質問をいただきます。その中でも特に最近増えているのが、「PRP治療とディスクシール治療って、何が違うの?」という疑問です。
どちらも切らない再生医療のイメージがあって、違いが分かりにくいですよね。
結論から言うと、この2つは「アプローチの根本(コンセプト)」が全く異なります。
今回は、数多くの腰痛治療を行ってきた医師の視点から、PRP治療の課題点と、ディスクシール治療との決定的な違いを分かりやすく解説します。


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目次

PRP治療とは?

PRP(多血小板血漿注入)治療とは、患者様ご自身の血液を採取し、特殊な遠心分離技術を用いて不要な赤血球や白血球を取り除いた「濃縮された血小板成分」を患部に注入する治療法です。

PRP治療の特徴

  • 全身どこでも使える万能性:ディスクシールは椎間板だけにしか適用しませんが、PRPは頭のてっぺんから足の先まで、体中の様々な組織や臓器に対して行える万能性を持ち合わせています。
  • 豊富な有効成分:血小板だけでなく、様々なタンパク質、炎症を抑えるサイトカイン、司令物質や因子、そしてフィブリノーゲン(傷口を塞ぐ成分)など様々な豊富な成分が含まれています。
  • 低いリスク:自己血液を使うためアレルギーなどのリスクが少なく、美容から医療まで幅広く活用されています。
  • 「総合マルチビタミン剤」のように、体に優しく様々な効果が期待できる優秀な治療方法です。

PRPのイメージ

腰痛に対するPRP治療の「注入場所」による違い

「腰にPRPを打つ」と言っても、実はどこに注入するかで目的や効果が大きく異なります。

注入する場所期待できる効果・目的
浅い層(筋肉・靭帯)細かい筋線維の修復を促し、
痛みを抑える
神経(腰から伸びる神経周り)神経の血流不足や浮腫(むくみ)、
微細な損傷を改善し、慢性症状を和らげる
椎間板の中(ディスクシールに近い領域椎間板内やその周囲で起きている
「炎症を抑える」

今回の本題である「ディスクシールとの違い」は、この3つ目の「椎間板の中に注入する場合」の比較になります。

大学の知見で発覚!椎間板PRP治療の「課題点」

様々な大学で治験を行い、データが出ています。椎間板内にPRPを注入する主な目的は「抗炎症作用(炎症を抑えること)」です。椎間板やその周りの炎症が治まることにより腰痛には一定の効果がみられます。しかし、明確な課題点(弱点)があります。

課題1:坐骨神経痛(足の症状)には効果が薄い

坐骨神経痛のイラスト

治験レベルの発表でも腰痛への効果は報告されていますが、足のしびれや痛みといった「坐骨神経痛」に対しては、まだまだ効果が少ないのが現状です。

課題2:血液中のフィブリノーゲンは「固まりにくい」ため再発する

PRPの中にも傷口を塞ぐ成分(フィブリノーゲン)は含まれています 。しかし、血液由来のフィブリノーゲンは非常に固まりにくいという性質があります。そのため、椎間板に開いた「穴やひび割れ」を塞ぐ能力がとても低いのです。
【イメージの例え】
PRP治療は、火が起きている場所に「水を一吹きかけて、一時的に火をくすぶらせる(鎮火する)」ようなものです。一時的に炎症は収まりますが、「椎間板の穴(ひび割れ)」という根本的な原因が開きっぱなしのため、中の成分がまた漏れ出してしまい、結局炎症がぶり返して(再発して)しまいます。
実際、当院のトライアルでもPRPでは治療成績が振るわず、再発リスクが高いことが経験として分かっています。

根本治療を目指す「ディスクシール治療」との決定的な違い

一方、私たちがメインで行っている「ディスクシール治療」(2010年代にアメリカで開発された椎間板修復治療)は、コンセプトが根本から異なります。

ディスクシール治療のコンセプト

ディスクシール治療風景

椎間板のひび割れを、フィブリノーゲン(のりを固める成分)によって「しっかりと強固に塞ぐ(シールする)」治療です。
原因である穴をガッチリ塞ぐため、中の成分が漏れ出さなくなり、結果として炎症がピタッと止まります。一時的な消火活動ではなく、「火元を完全にシャットアウトする」治療だからこそ、高い治療成績を維持できるのです。

当院の「DRT法」について

ちなみに、当院では患者様ご自身の多血小板血漿を用いた「DRT法」という治療も行っています。
「PRPは穴が塞がらない」という弱点を克服するため、自己成分を使いながらも、しっかりと穴が塞がるように独自の工夫を加えた治療法です。フィブリノーゲンが固まって穴を塞ぐという点において、ディスクシールとほぼ同等の効果を発揮します。

まとめ:あなたの腰痛にはどちらが最適?

最後に、PRP治療とディスクシール治療の違いをシンプルにまとめます。

  • PRP治療:炎症を優しく抑える「お水(消火の役目)」。ただし穴は塞がらないため再発リスクがある。
  • ディスクシール治療(およびDRT法):痛みの根本原因である椎間板のひび割れを「ガッチリ塞ぐ(シール)」。漏れを防ぐため根本改善に繋がる 。

同じ成分が含まれている治療法だからこそ「何が違うの?」と迷われるのも無理はありません。
しかし、「穴を塞ぎきれるかどうか」が、長期的な痛みの改善において最も大切なポイントになります。

「固定しない」選択肢 — ディスクシール治療

こんな思いを抱えていませんか?

  • 「自分の腰痛にはどの治療が合っているんだろう?」
  • 「他の治療で治らなかった坐骨神経痛に悩んでいる」

このようなお悩みに対して、野中腰痛クリニックでは「骨を固定しない」低侵襲な治療法として、ディスクシール治療をご提案しています。

ディスクシール治療とは?

ディスクシール治療は、傷んだ椎間板の内部に特殊な薬剤を注入し、椎間板を修復・再生に導く最新の低侵襲治療法です。

ディスクシール治療のメリット

  • 骨を固定しないため、隣接椎間障害(ASD)のリスクを根本から回避
  • 日帰り〜短期入院で受けられる低侵襲な治療
  • 全身麻酔不要、身体への負担が少ない
  • 椎間板の機能・動きを温存できる
  • 万が一将来的に手術が必要になっても、治療の選択肢が狭まりにくい

こんな方に向いています

  • 腰の固定術を勧められているが、踏み切れずにいる方
  • 手術後の隣接椎間障害(ASD)が心配な方
  • できるだけ体への負担を少なく治療したい方
  • 手術をせずに椎間板の痛みを改善したい方
  • 仕事や日常生活への早期復帰を望んでいる方

まずはお気軽にご相談ください

「手術を受けるかどうか迷っている」という段階からでも、ぜひ一度ご相談ください。あなたに合った治療法を、丁寧にご説明します。


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この記事の著者

野中腰痛クリニック 大阪本院 副院長:石田貴樹

大阪本院 副院長石田 貴樹

2009年:高知大学卒業・医師免許取得、2012年:神戸市立医療センター西市民病院勤務、2013年:兵庫県立尼崎病院勤務、2014年:関西労災病院勤務、2019年:ILC国際腰痛クリニック勤務、2021年:野中腰痛クリニック勤務、2022年:2年間の研修を経て10月にライセンスを獲得、2023年:医療法人蒼優会理事就任・野中腰痛クリニック副院長就任、2025年:研修を経て10月に頚椎ディスクシール治療ライセンスを獲得


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