患者様の情報
60代 男性
疾患・症状
患者様の状態
患者様は3年ほど前より坐骨神経痛を自覚されていましたが、昨年末に自宅近くの病院で腰椎すべり症と診断され、内服薬での治療が開始されていました。内服薬では症状の改善が無い事から、6月に外科的手術を提案されましたが、手術を拒否され当院を受診されています。
検査
腰のMRI検査です。第4腰椎と第5腰椎の間で椎間板が変形しており、第4腰椎がずれています。神経の通り道である脊柱管も狭くなっており、脊柱管狭窄症の合併が認められます。坐骨神経痛の原因と判断します。
施術内容
ディスクシール治療(Discseel® Procedure)
椎間板を修復する目的でディスクシール治療を行いました。椎間板機能を改善することで、すべり症による坐骨神経障害の改善が期待されます。
今回は笑気麻酔と静脈麻酔を併用して治療を開始いたしました。併用する事で、鎮痛と鎮静の作用に相乗効果が得られます。
レントゲン透視装置を使用する事で確実に椎間板まで治療用の管を挿入する事が出来ます。
椎間板を検査しているところです。損傷部分を見つけ出した場合に限り、ディスクシール治療を行う事ができます。
治療前後のレントゲン写真です。左側が治療前の写真であり、右側が治療後の写真になります。治療時間は23分でした。
院長の一言
今週は子供の体育祭などもあり、石田副院長に診療を任せて私は休みを頂いておりました。木曜日が仕事始めとなったわけですが、海外患者様の治療から始まり内容の濃い一日でした。明日は朝5時起きで東京院へ出張しますので、今夜は早く寝ようと思います。
さて、我らが阪神タイガースは連勝中です。首位のジャイアンツも頑張っているようですが、最後は差し切ってほしいところです。
治療法
ディスクシール治療(Discseel® Procedure)
治療期間
日帰り
治療費用
1,320,000円~1,650,000円(税込)
リスク・副作用
治療後2週間程度は一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。
この記事の著者
医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行
2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任
腰部脊柱管狭窄症
腰部脊柱管狭窄症とは背骨にある神経の通り道「脊柱管」が狭くなる疾患です。腰痛、足の神経障害や歩行困難などの症状を引き起こします。
腰椎すべり症
腰椎すべり症とは背骨が前方や後方にずれてしまう疾患です。腰痛・足の神経障害の他に間欠性跛行(かんけつせいはこう)の症状を引き起こします。
坐骨神経痛
坐骨神経痛とは、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症などを原因とし、腰から下部の臀部や脚に痛みやしびれを感じる症状です。