今日から新潟市で日本再生治療学会が開催されています。クリニックを休診し再生治療学会員である石田副院長とともに学会参加しております。腰痛に対する再生治療の現状と将来的な見通しについてお伝えしたいと思います!

学会会場前にて

腰の幹細胞移植について

日本よりも北米がリードしておりますが東海大学でも、北米の企業(ジェネシス社)の協力のもとに2015年より腰痛患者様に幹細胞移植を実施しており、東海大学医学部の酒井大輔先生より結果報告がなされていました。結果は腰痛患者様に自己幹細胞移植を行なったが、腰痛改善効果は認められなかったとのことでした。今後は幹細胞よりも幼弱な前駆細胞を移植する方向で研究が進むと見られます。またiPS細胞による腰痛治療はいまだ実験段階のようです。PRPなどによる腰痛治療は、海外でのエビデンスが蓄積されており効果が認められるとのことでした。

発表の様子

まとめ

現時点で幹細胞治療による腰痛改善効果は確認されていないが、今後の研究に期待されるとのことでした。

学会の様子

院長の一言

北米では、すでにDST(ディスクシール治療)が再生治療として保険適応となり、DRT治療が任意保険適応にまでなっています。しかし、日本では技術開発と治験が遅れており保険適応となるのは10年以上かかるかもしれません。再生治療の分野では、日本は北米に遅れを取っており、大学病院でさえ、幹細胞移植に関して北米の企業と技術提携せざる得ない状況です。また腰に関しての幹細胞移植に関しては、すでに日本よりも中国の方が優れていると思われます。理由は初期投資額の違いかもしれません。


治療法

DST法(ディスクシール治療)

治療期間

日帰り

治療費用

1,320,000円~1,650,000円(税込)

リスク・副作用

治療後2週間程度は一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。


この記事の著者

医療法人蒼優会理事長・NLC野中腰痛クリニック院長:野中康行

医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行

2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任