患者様の情報

70代 女性

疾患・症状


患者様の状態

以前より腰痛発作を繰り返されておられました。その都度リハビリ等で様子を見られていましたが今年の2月17日に激しい腰痛発作が出現しほとんど寝たきり状態の日々を経験されました。今回は腰痛発作を予防する目的で当クリニックを受診されています。


診察と検査結果

MRI

腰のMRI検査では腰椎全般に渡り椎間板が潰れかけています(椎間板変性症と言います)。また飛び出した様な変形も伴っており、椎間板ヘルニアと呼ばれる状態です。足の神経も圧迫を受けており脊柱管狭窄症と呼ばれます。


施術内容

DST法(ディスクシール治療)

損傷した椎間板3箇所(L2/L3、L3/L4、L4/L5)に対してDST(ディスクシール治療)を行いました。

治療風景①

患者様には鎮静剤で寝ていただきました。治療は石田医師と野中の2名で行っております。

治療風景②

第5腰椎と第1仙骨の間の椎間板は損傷が激しく、治療用の管を挿入するのに難渋致しましたが、治療用の管を変形させるなどの工夫を行い無事に挿入する事が出来ました。

椎間板に造影検査を行っているところです。この後DST(ディスクシール治療)を施行致しました。治療時間は18分でした。


院長の一言

本日はDST治療後4年2ヵ月経過された患者様(70代男性)が来院されました。3月18日に転倒され、腰部を打撲され腰痛が再発したため受診となっております。腰のレントゲン写真では第12胸椎が新たに骨折しており、胸椎圧迫骨折と診断し、3ヵ月程度は腰痛が続く事をご説明し、鎮痛薬で様子を見る事になっております。DST治療部位の椎間板には問題がありませんでした。当院の椎間板治療では骨の強化はできませんので、転倒などの外傷は要注意となります。

また当院では、診察枠と治療枠の拡大に伴い今春より看護師も2名追加しており、治療後の看護も手厚く対応できるようになっております。今後とも患者様に選んでいただけるクリニックを目指して人材確保と育成に努めてまいります。


治療法

DST法(ディスクシール治療)

治療期間

日帰り

治療費用

1,320,000円~1,650,000円(税込)

リスク・副作用

治療後2週間程度は一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。


この記事の著者

医療法人蒼優会理事長・NLC野中腰痛クリニック院長:野中康行

医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行

2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任


腰椎椎間板ヘルニア

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腰椎椎間板ヘルニアとは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が外に飛び出し神経を圧迫する疾患です。坐骨神経痛、ぎっくり腰などの症状を引き起こします。


腰部脊柱管狭窄症

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腰部脊柱管狭窄症とは背骨にある神経の通り道「脊柱管」が狭くなる疾患です。腰痛、足の神経障害や歩行困難などの症状を引き起こします。


椎間板変性症

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椎間板変性症とは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が変形する疾患です。椎間板の変形により、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症やすべり症など様々な病気につながる恐れがあります。