患者様の情報

70代 女性

疾患・症状


患者様の状態

20年以上前に腰椎すべり症と診断されている患者様です。腰痛が主体でしたが4年ほど前より両足にしびれが出現する様になられました。最近では歩くとしびれだけでなく両足に神経痛が出現するため、休まなければ動けない状態になられていました。今回はゴルフやボーリングを楽しみたいとの事で治療を目的に受診されています。


診察と検査結果

MRI

腰のMRI検査ですが、第4腰椎と第5腰椎の間にある椎間板の容量が50%程度減少しています。また第4腰椎は内臓の重みから前側にすべっており、腰椎すべり症と呼ばれる状態になっています。その他足の神経も圧迫を受けており脊柱管狭窄症も合併し、足のしびれや神経痛の原因になっています。


施術内容

DST法(ディスクシール治療)

外科的手術(固定術)も検討されましたがリスクが高い事を懸念され、当院での椎間板治療(DST法・ディスクシール治療)をご希望されています。

治療風景①

局所麻酔を行っています。非常に細い針であり、痛みはほとんど自覚されませんでした。

治療風景②

私のうしろでは石田副院長が優しく見守ってくれています。治療においてはバックアップができる医師に付いてもらう方が安全です。ほとんど起こる事はないのですが、局所麻酔中毒やアナフィラキシーショックが発生した場合には緊急処置が必要になることがある為です。当院では起こったことはありませんが、医師1名で行う治療(美容外科や歯科診療)で適切な処置が施されず死亡した例も報告されています。安全第一です。

椎間板の損傷部位を検査しているところになります。DST(ディスクシール治療)を行いました。療時間は13分でしたが、患者様がお目覚めになられるのに5分程要しました。2時間後にはしっかりとした足取りで帰って頂いております。


院長の一言

来週より石田副院長の北米研修が始まり帰国は3週間後となります。DSTのトップライセンス検定だけでなく新治療の研修も兼ねておりますので、私も非常に楽しみにしております。より良い治療のご提供ができるように日々研鑽に励んでまいります。


治療法

DST法(ディスクシール治療)

治療期間

日帰り

治療費用

1,320,000円~1,650,000円(税込)

リスク・副作用

治療後2週間程度は一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。


この記事の著者

医療法人蒼優会理事長・NLC野中腰痛クリニック院長:野中康行

医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行

2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任


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