患者様の情報

60代 男性

疾患・症状


患者様の状態

5年ほど前より足に脱力感やしびれを自覚されておられました。近くの整形外科では脊柱管狭窄症と診断され、オパルモンやリリカ等の内服薬での治療が開始されました。年々悪化傾向であり、特に右足の神経痛が強く、趣味であるテニスも楽しめなくなってこられたことから当クリニックを受診されています。


診察と検査結果

治療風景①

腰のMRI検査ですが複数の椎間板が潰れかけています(椎間板変性症)。また飛び出した様な変形を椎間板ヘルニアと言います。足の神経も圧迫を受けており脊柱管狭窄症と診断致しました。


施術内容

DST法(ディスクシール治療)

椎間板の損傷部位を検査した後に、椎間板4箇所(L2/L3、L3/L4、L4/L5、L5/S1)に対してDST(ディスクシール治療)を行っております。

治療風景②

レントゲン透視装置により骨の位置を確認し、神経を避けながら椎間板まで治療用の管を挿入していきます。

治療風景③

鎮静剤をご希望されませんでしたので、局所麻酔を多めに使用しております。

椎間板の損傷程度を評価しています。すぐにDST(ディスクシール治療)を行いました。治療時間は17分であり、2時間後には帰宅していただきました。


院長の一言

本日、午後の外来に4年前にPLDD(椎間板レーザー減圧術)を施行した患者様(40代男性)が緊急でお越しになられました。4年前は右足の坐骨神経痛でしたが、今回は新たに左足に神経痛が出現しており、検査を行ったところPLDDで施術した箇所とは違う部位にヘルニアが出現しておりました。とりあえず鎮痛薬を処方し様子を診させて頂きましたが、患者様のお話では、3月に建設現場での作業が佳境に入り相当腰に負担がかかっていたとの事で、治療後であっても重度の負荷がかかりますと新たな症状が出現する事もあることを説明させて頂きました。また改善がみられなければリハビリや椎間板治療を検討する予定です。


治療法

DST法(ディスクシール治療)

治療期間

日帰り

治療費用

1,320,000円~1,650,000円(税込)

リスク・副作用

治療後2週間程度は一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。


この記事の著者

医療法人蒼優会理事長・NLC野中腰痛クリニック院長:野中康行

医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行

2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任


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椎間板変性症とは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が変形する疾患です。椎間板の変形により、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症やすべり症など様々な病気につながる恐れがあります。


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