患者様の情報

70代 女性

疾患・症状


患者様の状態

昨年9月頃より両足にしびれを自覚されるようになりました。しびれは足全体にわたっておりますが、特にに坐骨神経領域に強いしびれが出現しておられます。今回しびれを改善させるべく当院を受診されています。


診察と検査結果

MRI

腰のMRI検査となりますが、第4腰椎にズレが見られ、足の神経も圧迫を受けています。この様な状態を腰椎すべり症と言います。また椎間板も潰れており、変形も伴っておりそれぞれ椎間板変性症椎間板ヘルニアと呼ばれます。


施術内容

DST法(ディスクシール治療)

椎間板の損傷部位2箇所(L3/L4、L4/L5)を特定し、DST(ディスクシール治療)を行っております。

治療風景①

椎間板まで治療用の管を挿入していきます。本日使用した針はNST針とよばれる特注のものとなります。従来品より穿刺が容易であり合併症のリスクが低くなっております。

治療風景②

椎間板の損傷部位を特定しているところです。石田副院長はモニター画面を注視しています。

椎間板損傷部位が黒く映っています。引き続きDST(ディスクシール治療)を行いました。治療時間は16分でした。


院長の一言

本日の外来では、4年前に治療させて頂いた82歳男性が受診されました。3月末頃に朝起きられたところ、腰部に激痛が走り動けなくなったとの事でした。本日は4月13日ですので、約2週間経過して腰痛は少し改善しておりましたが、検査を行うとMRIでは第2腰椎に新しい圧迫骨折を認めました。患者様には3ヵ月程度の安静で腰痛は改善する見込みであるとご説明させて頂き、安心していただきました。当院の椎間板治療では骨を強化する事はできませんので、この様な骨折に対しては骨粗鬆症の検査と治療が別途必要になります。
昨日は休診日でしたので自宅庭掃除をしていたのですが、黄砂の為かアレルギー症状が出てしまいました。皆様もお気を付けください。


治療法

DST法(ディスクシール治療)

治療期間

日帰り

治療費用

1,320,000円~1,650,000円(税込)

リスク・副作用

治療後2週間程度は一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。


この記事の著者

医療法人蒼優会理事長・NLC野中腰痛クリニック院長:野中康行

医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行

2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任


腰椎椎間板ヘルニア

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腰椎椎間板ヘルニアとは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が外に飛び出し神経を圧迫する疾患です。坐骨神経痛、ぎっくり腰などの症状を引き起こします。


腰椎すべり症

腰椎すべり症

腰椎すべり症とは背骨が前方や後方にずれてしまう疾患です。腰痛・足の神経障害の他に間欠性跛行(かんけつせいはこう)の症状を引き起こします。


椎間板変性症

椎間板変性症

椎間板変性症とは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が変形する疾患です。椎間板の変形により、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症やすべり症など様々な病気につながる恐れがあります。