患者様の情報

50代 女性

疾患・症状


患者様の状態

3月1日、中腰での作業をされた際に腰痛発作が出現しました。以後は階段の昇り降りも困難な状態となり、洗顔動作などの前屈姿勢で腰痛が悪化する状態になられました。近くの整形外科では腰椎すべり症と診断されましたが、改善が遅いために当クリニックを受診されています。


診察と検査結果

治療風景①

腰のMRI検査ですが第3腰椎と第4腰椎および第5腰椎の間にある椎間板が潰れかけており、椎間板変性症と呼ばれる状態になっています。また第4腰椎のずれが見られ、腰椎すべり症と呼ばれ腰痛の原因となります。


施術内容

DST法(ディスクシール治療)

損傷した椎間板2箇所(L3/L4、L4/L5)に対してDST(ディスクシール治療)を行い、腰椎を安定させ腰痛症状の改善を図ります。

治療風景②

最近は鎮静剤を希望される患者様が多くなっております。今回も鎮静剤を使用しております。この写真では部分麻酔を行っているところになります。

治療風景③

レントゲン透視装置で多角的に腰の状態を確認し、治療用の管を挿入していきます。

椎間板を検査しているところです。この後DST(ディスクシール治療)を行いました。治療時間は17分。今回は治療終了と同時にお目覚めになられています。


院長の一言

本日は、DST(ディスクシール治療)以外にもPLDD(椎間板レーザー減圧術)の治療も行っております。PLDD(椎間板レーザー減圧術)も元々アメリカの先生が開発された治療であり、大学病院でも行われている治療になります。体内に異物を残さず、椎間板の内圧の減圧が出来る治療です。有効率もディスコゲル治療と大差が無い事、異物を残さない事、レーザーシステムが国内で生産されており費用が安い事、国内実績が大変豊富で安全性が確立している事から有益な治療法と言えます。また近似した治療法にヘルニコア治療がありますが、生涯に一度しかできないという縛りがあります。また当院では、腰の状態に併せて複数の治療法を提供できるように医師の教育も行っております。その分、忙しくなっていますが、頑張ってまいりたいと思います。


治療法

DST法(ディスクシール治療)

治療期間

日帰り

治療費用

1,320,000円~1,650,000円(税込)

リスク・副作用

治療後2週間程度は一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。


この記事の著者

医療法人蒼優会理事長・NLC野中腰痛クリニック院長:野中康行

医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行

2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任


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