患者様の情報
60代 男性
疾患・症状
状態
1年前に脊柱管狭窄症と診断され、内服薬とリハビリを継続されていましたが、坐骨神経痛が悪化傾向となり、趣味のゴルフも出来なくなりつつある状態で来院されました。
検査
MRI検査

腰のMRI検査ですが、第3腰椎から第5腰椎まで椎間板の変形と脊柱管狭窄症の合併が見られます。この状態でゴルフを継続するのはかなり厳しい状態と言えます。
治療
患者様の目標は20分以上神経痛が無く歩けるようになる事とゴルフを再開する事でした。外科的手術の場合は手術が成功してもゴルフを再開すると3年ほどで再発する危険性が極めて高くなりますので、当院のディスクシール治療を行う事になりました。
Annulargram(アニュラグラム検査)
椎間板に対してAnnulogram検査を行っています。損傷が認められなければ減圧治療(PLDDやディスコゲルなどのセルゲル治療)が適応になりますが、検査では損傷が黒く映し出されていますので、予想通りディスクシール治療が適応になりました。
ディスクシール治療
ディスクシール治療を行っているところです。損傷部分をフィブリノゲン製剤が埋めていくところが確認できます。
治療前後のレントゲン写真

治療前後のレントゲン写真になります。左側が治療前、右側が治療後になります。ゴルフの再開は1ヵ月後である事をご説明しました
院長の一言
長期金利が2%になっちゃうよ
なんだか最近住宅ローン金利が上がったというので、日曜日は経済の勉強をしておりました。1年前は日本の長期金利は0.8%くらいだったんですが、最近は1.8%以上になっています。1年で1%上がった計算ですが、日本国債の借り換え利払い費も上がっているんですよね。1%の上昇で10年後の利払い費は13兆円程増える見込みです。現在の日本国債の利払い費用は1年で8兆円ですから、10年後には1年で21兆円くらい支払う計算になります。経済成長をして税収が上がり、良いインフレ循環が起こっていれば支払える金額かもしれませんが、もし景気が低迷したままだとすると増税と社会保障費の大幅な削減が行われるかもしれません。我が家の子供たちが成人したころに、どのような世の中になっているのか……10年後には良い世の中になっていることを祈っとります。

今回の治療法
ディスクシール治療(Discseel® Procedure)
治療期間
日帰り
治療費用
1,320,000円~1,650,000円(税込)
リスク・副作用
治療後2週間程度は、一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって、周りの筋肉や関節、靭帯などの広がりにより、筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。
関連するの疾患と症状
腰部脊柱管狭窄症
腰部脊柱管狭窄症とは、背骨にある神経の通り道「脊柱管」が狭くなる疾患です。腰痛や足の神経障害、歩行困難などの症状を引き起こします。
坐骨神経痛
坐骨神経痛とは、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などを原因とし、腰から下部の臀部や脚部に痛みや痺れを感じる症状です。
この記事の著者
大阪本院 院長野中 康行
2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任