患者様の情報
30代 男性
疾患・症状
状態
数年前から腰痛で悩まれており、長時間の運転や座位を続けると腰痛が悪化する状態が続いておられます。近くの整形外科では椎間板ヘルニアと診断されて、減量やリハビリを続けておられますが、腰痛が続くために当院を受診されました。
検査
MRI検査

腰のMRI検査ですが、L5/Sに巨大なヘルニアがあります。医学的には脱出ヘルニア(後縦靭帯非穿破型)と呼ばれるタイプのヘルニアです。坐骨神経痛などの神経症状は出にくいタイプですが、逆に腰痛がなかなか改善しないタイプのヘルニアであり、「まとわりついて、うっとうしい腰痛がつづく」ようなイメージといえます。
治療
椎間板内圧を確認すると高い状態だったので、減圧治療(PLDD、セルゲル法、オゾン治療など)が適応になると判断しました。個人的にはどの治療でも効果にさほど差はないのですが、安全性、有効率のバランスが最適なPLDD(経皮的レーザー椎間板減圧術)を選択しました。コスト的にも30万円程度です。
椎間板内圧検査

PLDD直前に空気を入れたシリンジを利用して椎間板内圧が高いかどうかを確認しました。予測通り、内圧が高いことが確認できました。もし内圧が低ければAnnulargram検査を追加して、ディスクシール治療などを検討する事になります。
PLDD(経皮的レーザー椎間板減圧術)

PLDDを行っているところです。レーザーで椎間板内を焼くことで、椎間板内の圧力を下げていきます。治療時間は15分程でした。
院長の一言
PLDDとセルゲル法のどっちがええの?
今日治療した患者さんから「PLDDとセルゲル法どっちがいい?」と質問があったんで皆さんにもお伝えしとこうと思います。僕的には「どっちもほとんど差はあらへん」思います。PLDDもディスコゲル(セルゲル法)でも患者さんに治療をしてきたし、いろいろ論文なんかもありますけど、椎間板の圧力を下げる為に髄核を熱破壊するか、科学的に融解させるかの違いですわ。どっちも減圧やがな。
個人的にはPLDDの方が焼ける部位をコントロールしやすくて安全性が高いと思とるんで、患者さんにはPLDDを推奨してますわ。ここだけの話、PLDDに使用される半導体レーザーが国内生産されとるんで材料費が安く済みますよって、患者さんの懐にやさしい!という事も大きいですわ。どっちの治療でも椎間板ヘルニアに対してはええ治療やと思いますけど、基本的にヘルニアはリハビリで改善する事も多いんで、費用をかけて治療せんでもええ人には、ダイエットや体幹トレーニングをまず推奨してます。
治療を検討されとる患者さんがおられたら、いろんな意見を聞いて知識を付けて、外来で医師に疑問なんかをぶつけた方がええと思います。僕の場合は20年近く腰痛治療やってきてるんで、大体のことは答えられると思てます。

今回の治療法
PLDD法(経皮的レーザー椎間板減圧術)
治療期間
日帰り
治療費用
308,000円~473,000円(税込)
リスク・副作用
治療を受けた後に今までになかった腰痛や痺れ、太ももに筋肉の張りを感じる場合があります。症状や状態により個人差がありますが、手術後1週間~1ヵ月程、これまでになかった症状が一時的に続くこともあります。また、外科的手術と比べると確率は非常に低くなりますが、治療箇所からの感染症や合併症などのリスクがあります。
関連するの疾患と症状
腰椎椎間板ヘルニア
腰椎椎間板ヘルニアとは、背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が外に飛び出し、神経を圧迫する疾患です。坐骨神経痛やぎっくり腰などの症状を引き起こします。
この記事の著者
大阪本院 院長野中 康行
2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任、2025年:研修を経て10月に頚椎ディスクシール治療ライセンスを獲得