概略

側弯症が必ずしも腰痛を引き起こすわけではありません。しかし、側弯症のある人は、側弯症のない人に比べて腰痛や足のしびれを発症するリスクが40〜50%高くなります。また、側弯症の重症度と腰痛の強度には相関関係があります。症状が現れたら、まず医療機関で原因を調べることが腰痛治療の第一歩となります。


側弯症は必ず腰痛を引き起こす? 序論

目次

はじめに

腰痛に悩まされている側弯症のほとんどの患者様は「側弯症は必ず腰痛を引き起こしますか?」と質問されます。今回は側弯症と腰痛の関係についてお話ししたいと思います。


結論

側弯症(そくわんしょう)は必ず腰痛になるということはありません。しかし、側弯症に関連する腰痛や足の痺れのリスクの発生率は側弯症がない人より40~50%高いと科学的には報告されています。
2016年に発表されたカナダの調査によると500人の側弯症患者を対象にした参加者約68%が胸部や腰痛を訴えました。さらに、痛みの強さは側弯症の重症度に伴って増加しているという結果になりました。


側弯症とは

腰骨がねじれて横に曲がった状態

脊柱側弯症は、背骨がねじれて横に曲がっている状態です。乳児から成人まであらゆる年齢層の人々に影響を与える可能性がありますが、ほとんどの場合10歳から15歳の子供に発症します。脊柱側弯症自体は痛みを伴いませんが、加齢による背骨の変形により症状が出ることがあります。これらの症状は脊柱側弯症ではない方でも症状が出ることがあります。 特に腰は負担がかかりやすいため成人してから症状が悪化することもあります。

側弯症の症状

痛みが発生した場合、一般的には神経の圧迫が原因となり以下のような症状が現れます。

  • 足のしびれや脱力感
  • 坐骨神経痛
  • 歩行や姿勢の異常
  • 排泄習慣の変化

まとめ

症状が現れたらまず医療機関で原因を調べることが腰痛治療の第一歩となります。ほとんどの場合、症状は椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症によく似ているので原因は椎間板の変性か骨の圧迫かにより治療方法も異なります。

側弯症は必ず腰痛を引き起こす? 結論

参考文献参照元

①The Impact of Small Spinal Curves in Adolescents Who Have Not Presented to Secondary Care: A Population-Based Cohort Study - 2016 - Emma M. Clark, Jon H. Tobias, and Jeremy Fairbank - Spine (Phila Pa 1976) (41(10): E611–E617)
②Juvenile degenerative disc disease: a report of 76 cases identified by magnetic resonance imaging - 2016 - John R Dimar 2nd, Steven D Glassman, Leah Y Carreon - Spine J (332-7. doi: 10.1016/j.spinee)
③The adult scoliosis - 2005 - Max Aebi - Eur Spine J (925-48. doi: 10.1007/s00586-005-1053-9)
④Degenerative Lumbar Scoliosis: Evaluation and Management - 2003 - Clifford B Tribus - J Am Acad Orthop Surg(174-83)
⑤Long-term outcome of targeted therapy for low back pain in elderly degenerative lumbar scoliosis - 1998 - Kiyotaka Yamada, Toshio Nakamae, Kazuyoshi Nakanishi, Naosuke Kamei, Takeshi Hiramatsu, Teruaki Okuda, Takashi Hashimoto, Satoshi Ujigo, Taiki Morisako, Yuji Tsuchikawa , Toshiaki Maruyama, Hiroki Fukui, Nobuo Adachi, Takuro Shimbo, Kjell Olmarker, Yoshinori Fujimoto - Eur Spine J.(2020-2032. doi: 10.1007/s00586-021-06805-4)

参考文献のリンク

The Impact of Small Spinal Curves in Adolescents Who Have Not Presented to Secondary Care: A Population-Based Cohort Study
Juvenile degenerative disc disease: a report of 76 cases identified by magnetic resonance imaging
The adult scoliosis
Degenerative Lumbar Scoliosis: Evaluation and Management
Long-term outcome of targeted therapy for low back pain in elderly degenerative lumbar scoliosis

この記事の著者

医療法人蒼優会理事長・NLC野中腰痛クリニック院長:野中康行

医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行

2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任