概略
腰部脊柱管狭窄症の方がやってはいけないこととして神経を圧迫するような行動や体勢をとることが挙げられます。例えば「腰を反らす」「重い物を持ち上げる」「無理な運動をする」といった動作は腰に負担をかけ、症状を悪化させる可能性があります。脊柱管狭窄症は中高年に多く見られる病気ですが、毎日のウォーキングや水泳、ストレッチなどで筋力アップを促し、正しい姿勢での生活を心がけることで予防や改善につながります。まずは医師に相談することから始めましょう。
目次
腰部脊柱管狭窄症の方がやってはいけない行動・体勢
脊柱管狭窄症の方がやってはいけない事は、神経を圧迫するような動きです。神経や血管を圧迫している状態となっているので、さらに圧迫させることで症状が悪化する可能性があるためです。腰を反らすような動きや重い物を持ち上げたり運んだりする動きは、腰に負担をかけてしまいますので避けてください。そのため当院では「体を丸める姿勢」をご提案しています。体を丸めることで腰への負担が少ない体勢でトレーニングすることをおすすめしています。
無理な運動
過度な運動や、無理な体勢での運動は控えるようにしましょう。
特に外科手術後は腰椎が安定していなかったり、筋力低下も考えられるためいきなり過度な運動はせず、様子を見ながら少しづつ運動量を増やすようにしてください。腰を反らすような動きとして例えば「コブラのポーズ」「弓のポーズ」など腰に負担がかかる動きは控えましょう。
腰部脊柱管狭窄症の方がやってもいい運動
痛みが強くでない程度で毎日ウォーキングを続けることが大切です。歩くことで足の筋力、腰の強化を高めて、筋力を維持していく運動ができるからです。また、腰に負担がかかりにくい方法としてプール歩行があります。水の抵抗があるため運動を行う際の負荷がかかり、鍛えたい部分を動かすことで効果的なトレーニングができます。また、脊柱管狭窄症の症状が出ていても自転車に乗れる方は体を丸める姿勢ができるエアロバイクも効果的です。
ヨガのポーズ
身体の柔軟性を上げるためにヨガのストレッチを取り入れることもあります。当院では「猫のポーズ」が脊柱管狭窄症の方にとってストレスのかかりにくい姿勢ですので運動方法の一つとしてご案内しております。
ストレッチ方法
- 床に両手を肩の真下にして下ろし、両ひざを床につき四つん這いの姿勢を取ります。
- おへそを見るようにして体を丸めます。
腰部脊柱管狭窄症が悪化した場合
脊柱管狭窄症が悪化した場合は、まず主治医に相談するようにしましょう。MRI・レントゲン画像から腰の状態を確認した上で、どこに症状が現れるのか、どのような症状なのかによって治療方法も異なります。また、排尿障害や歩行困難な症状が出る場合には手術も検討されます。
NLC野中腰痛クリニックによる脊柱管狭窄症の治療実績
腰部脊柱管狭窄症の治療実績をご紹介します。中高年以上の患者さまが多く、治療中のご様子までご覧いただけます。当院の腰部脊柱管狭窄症の治療実績はこちらをご覧ください。
NLC野中腰痛クリニックの日帰り腰痛治療の実績は、6,358件(集計期間:2018年6月~2024年10月)
テニスやゴルフが趣味の患者さまです。腰の痛みと足裏のしびれが出現し、歩くこともつらい状態だったため受診されました。ディスクシール治療(Discseel® Procedure)を行う事による症状の改善を図りました。治療後は約2時間ベッドでお休みいただき、ご帰宅していただきました。
脊柱管狭窄症でやってはいけないこと・注意したい運動等についてのポイント
脊柱管狭窄症は特に中高年に多い病気です。脊柱管狭窄症からすべり症等に進行していく可能性があるため、脊柱管狭窄症の診断を受けたらまずは医師とよく相談し治療方法を考えるようにしましよう。また、症状が進行しないようにするには筋力アップや正しい姿勢での生活を心がけることも大切です。
この記事の著者
医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行
2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任
腰部脊柱管狭窄症
腰部脊柱管狭窄症とは背骨にある神経の通り道「脊柱管」が狭くなる疾患です。腰痛、足の神経障害や歩行困難などの症状を引き起こします。