患者様の情報

60代 男性

疾患・症状


患者様の状態

患者様は、腰椎すべり症と脊柱管狭窄症による坐骨神経痛のために診療が困難となられていた眼科医の先生です。今も現役で外来をなされており、入院ができないために、2022年10月にDST(ディスクシール治療)を行っています。治療後1ヵ月の確認連絡では、坐骨神経痛は消失しており、外来診療も可能となっておられました。しかし、2024年3月に花粉症でくしゃみをされた際、腰痛発作が出現したため、心配されて再診されています。


治療記録

DST(ディスクシール治療)

第4腰椎と第5腰椎の間にある椎間板に治療を行っています。


治療経過

治療前

治療前MRI

第4腰椎と第5腰椎の椎間板が潰れており、足の神経も障害を受けています。

治療後

治療後MRI

治療後1年5ヵ月経過して、椎間板容量の改善と脊柱管狭窄症の改善を認めます。


まとめ

診察時に坐骨神経痛は認めず、腰痛の部位も局所でありました。MRI検査でも腰椎すべり症や脊柱管狭窄症の改善がみられていることから、DST(ディスクシール治療)後の経過としては良好であり、外的要因による腰椎捻挫と診断いたしました。また、湿布で腰痛が改善されていることから、数週間以内に自然改善する可能性が高いとご説明いたしました。花粉症などでくしゃみをされる際に、腹圧が急激に上昇すると腰痛発作が出現することがありますので、腹圧を抑えてくしゃみをするようにもお願いしました。


院長の一言

眼科の先生ですが、本日は昼休みの時間を使って受診されていました。休みを作ってスキーに行こうとしている自分が恥ずかしいかぎりです。でも、スキー仲間は生涯付き合っていけるものなので大事にしたいとも思っています。

スキー仲間

治療法

DST法(ディスクシール治療)

治療期間

日帰り

治療費用

1,320,000円~1,650,000円(税込)

リスク・副作用

治療後2週間程度は一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。


この記事の著者

医療法人蒼優会理事長・NLC野中腰痛クリニック院長:野中康行

医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行

2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任


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