患者様の情報

20代 男性

疾患・症状


患者様の状態

14歳の頃から腰痛を自覚されていましたが、数年前より腰痛が悪化しており、日常生活にも支障が生じる状態になられていました。イギリス国内での治療を模索されており、The Harley Street病院で診察を受けられたところ、ディスコゲルの適応は無いがレーザー治療の適応があるとの診断がなされました。The Harley Street病院ではレーザー治療が出来ない事から、治療が可能な施設を検索され当院を受診されています。
(EUでは治療費が高騰しており、円安の日本で治療を受けられる方も増えています。)


診察と検査結果

MRI

腰のMRI検査です。第4腰椎と第5腰椎間の椎間板が大きく飛び出しているのが認められ、椎間板ヘルニアと診断致します。また椎間板容量は保たれている状態で、椎間板内圧の上昇から椎間板が破裂寸前になっている状態と推測致します。


施術内容

PLDD法(経皮的レーザー椎間板減圧術)

イギリスのThe Harley Street病院ではディスコゲルが適応外と言われた理由は、ディスコゲルの内容物がエチルアルコールゲルという科学的物資ですので、質量のある物質の投与は一時的にでも椎間板内圧を上昇させてしまう可能性があり、最悪の場合、椎間板ヘルニアが破裂する危険性があるためだとの事でした。従って椎間板内圧を純粋に低下させるレーザー治療を当院で行っております。

治療風景①

椎間板治療の前に鎮静剤を投与しております。通訳が鎮静剤の説明をしております。

治療風景②

レーザー治療中の様子です。照射音を確認しながら出力を調整しています。

治療風景③

治療後にレーザー治療の説明をしているところです。非常に楽に治療が出来て感謝されていました。

レーザー照射のデモンストレーションです。患者様にもお見せしました。治療時間は16分でした。


院長の一言

本日の外来では、治療後1年2ヵ月経過された患者様が来院されました。70代の女性ですが、昨年7月には寝ても覚めても坐骨神経痛が持続し、車いすでの生活を余儀なくされていました。当院での椎間板治療後も2ヵ月ほどは坐骨神経痛が続いていましたが、本日来院された時には歩いて来院されておりびっくりしました。現在は、自宅の家事をする際に右足に鈍痛が出現する程度であり、MRI検査でも問題のない事が確認されました。当院での腰痛リハビリをお勧めし、引き続き改善に向けてお手伝いさせていただく事となりました。


治療法

PLDD法(経皮的レーザー椎間板減圧術)

治療期間

日帰り

治療費用

308,000円~473,000円(税込)

リスク・副作用

治療を受けた後に今までになかった腰痛や痺れ、太ももに筋肉の張りを感じる場合があります。症状や状態により個人差がありますが、手術後1週間~1ヵ月程これまでになかった症状が一時的に続くこともあります。また外科的手術と比べると確率は非常に低くなりますが、治療箇所からの感染症や、合併症などのリスクがあります。


この記事の著者

医療法人蒼優会理事長・NLC野中腰痛クリニック院長:野中康行

医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行

2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任


腰椎椎間板ヘルニア

腰椎椎間板ヘルニア

腰椎椎間板ヘルニアとは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が外に飛び出し神経を圧迫する疾患です。坐骨神経痛、ぎっくり腰などの症状を引き起こします。