患者様の情報

50代 男性

疾患・症状


患者様の状態

10代の頃から電気工事関係のお仕事をされておられました。中腰で長時間の作業を繰り返しされておられ、30代の頃には慢性の腰痛を自覚されるようになっていました。徐々に腰痛は悪化し、1年ほど前からは中腰での仕事が出来なくなってしまわれ当院を受診されています。


診察と検査結果

MRI

腰のMRI検査ですが、想像していたよりも腰椎や椎間板の変形はありませんでした。しかしよく観察すると、第4腰椎と第5腰椎の間にある椎間板の厚みが減少しており変形も見られます。椎間板変性症椎間板ヘルニアと診断致します。


施術内容

DST法(ディスクシール治療)

まずは椎間板の状態を確認すべく検査を行ったところ、内部に損傷がみられたので修復治療を行いました。

治療風景①

局所麻酔のみでの治療となりました。3秒程かけて背中に麻酔を投与しています。

治療風景②

レントゲン透視装置で椎間板と穿刺針の位置関係を確認しているところです。

椎間板を検査している動画になります。損傷部分が黒く映っています。

治療時間は17分でした。治療後は麻酔の影響により、左足の倦怠感が2時間ほど続きましたが、帰宅される時には倦怠感は消失しておられました。


院長の一言

毎日のように海外の患者様から腰のレントゲン写真やMRI写真が送られてきます。当院での治療が可能かどうか判断しているのですが、本日はこの様な腰のレントゲン写真が送られてきました。

治療風景③

海外で脊椎手術(ボルト固定)をされた患者様のものですが、腰だけでなく胸までボルトで固定されています。年齢は30歳代の男性で、元々は軽い腰痛と側弯症を治療する為に手術を成されたそうですが、日本や欧米では絶対に行わない術式です。将来にわたって背骨が全く動かなくなり、神経症状が新たに出現してくる可能性が極めて高く、アメリカであれば訴訟されるかもしれません。世の中は本当に広く未知なことに溢れていると思いました。


治療法

DST法(ディスクシール治療)

治療期間

日帰り

治療費用

1,320,000円~1,650,000円(税込)

リスク・副作用

治療後2週間程度は一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。


この記事の著者

医療法人蒼優会理事長・NLC野中腰痛クリニック院長:野中康行

医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行

2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任


腰椎椎間板ヘルニア

腰椎椎間板ヘルニア

腰椎椎間板ヘルニアとは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が外に飛び出し神経を圧迫する疾患です。坐骨神経痛、ぎっくり腰などの症状を引き起こします。


椎間板変性症

椎間板変性症

椎間板変性症とは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が変形する疾患です。椎間板の変形により、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症やすべり症など様々な病気につながる恐れがあります。