イタリアでのオゾン治療「PODT法」の研修

はじめに、EU諸国では患者様の痛みに対する治療要求が高く、同時に痛みに対する研究や治療法は日本よりも先進的であり腰痛治療に関してもしかりです。当院長も現在経皮的椎間板オゾン治療を行っていますが、その基礎はベラーリオ国立病院のレオナルディ前教授の方法を踏襲しており、今回オゾン治療発祥の地で実際の治療を研修できる事に大きな期待を抱きつつイタリアに旅立ちました。今回は日本でも問題となっている椎間板以外の腰痛原因、椎間関節炎及び筋膜性疼痛症候群に対するオゾン治療法を習得する目的でイタリア(ボローニャ)のベラーリオ国立病院に行きました。そもそもベラーリオ国立病院は、オゾン治療発祥の地でありEU圏の医師だけでなくオゾン治療に従事する各国の医師が研修を受ける病院として有名です。

イタリア研修①

1日目はベラーリオ国立病院神経放射線科の医師に脊椎の解剖、経皮的椎間板オゾン治療の基礎講義と臨床論文の検証についての講義を受けた後、治療現場に立ち会いました。

イタリア研修②
イタリア研修③

椎間板に対するオゾン治療法に関しては、私が行っている方法と差異はありませんでしたが、椎間関節炎に対して、オゾン治療が行われている事に驚きました。通常日本では、椎間関節炎に対して、神経ブロックのみ行われるのですが、神経ブロック単独よりもオゾンを追加する事で有効率が高くなるとのことから、オゾンを標準投与するとのことでした。

イタリア研修④
イタリア研修⑤

2日目は日本では難治性の筋膜性疼痛症候群に対して、オゾン治療が行われており、1日で12名もの患者様が治療を受けられていました。実際に現地通訳のご友人も数名オゾン治療を受けられており、オゾン治療が一般的な治療法として認識されているのだと感じました。今回の研修では、多くの患者様にとって問題となっている椎間関節炎及び筋膜性疼痛症候群に対するオゾン治療の有効性と治療法を学ぶ事ができました。

イタリア研修⑥
イタリア研修⑦
イタリア研修⑧

この記事の著者

医療法人蒼優会理事長・NLC野中腰痛クリニック院長:野中康行

医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行

2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任