概略
腰椎椎間板ヘルニアの手術費用は、病院やヘルニアの状態、治療法によって異なります。保険適応(3割負担)の場合は、MED(内視鏡椎間板切除手術)なら約25万円~40万円、脊椎固定術及び除圧手術なら約35万円~60万円程度が目安です。また保険適用外(全額負担・当院)の場合は、28万円~150万円(税抜)となります。
目次
保険診療と自費診療(自由診療)の違い
料金の違い
椎間板ヘルニアは骨と骨の間にある椎間板が神経に飛び出ることを言います。主に過度なスポーツや重労働などで椎間板に負担がかかり椎間板内の圧力が高くなることで神経に飛び出し腰痛を引き起こします。椎間板ヘルニアの手術を検討する場合、手術方法によって保険適応の方法と保険適応外の方法があります。
保険治療の場合
患者様の収入や年齢に応じて国が7割以上手術費用を負担します。
自費治療(自由治療)の場合
手術費用の全額(10割)を患者様が負担します。
保険診療によるメリット・デメリット
メリット
保険適応により患者様の負担額が少なくなります。
デメリット
医療材料に制限があるため、手術までの時間が長くなります。外科的手術になるため入院や退院後のリハビリなども併せて受けなければいけません。
自費診療(自由診療)によるメリット・デメリット
メリット
医療材料に制限がないため、手術方法の選択肢が増えます。
また椎間板ヘルニアの治療法においては手術時間が短く、入院がない治療を受けることができます。
デメリット
保険適応外のため患者様の費用負担が大きくなります。
当院の椎間板ヘルニアの手術・治療費用
当院の治療はすべて自由診療となってなります。
ディスクシール治療(Discseel® Procedure) | PIDT法(経皮的椎間板インプラント治療) | PLOT法(経皮的オゾンレーザー治療) | PODT法 (経皮的椎間板オゾン治療) | PLDD法 (経皮的レーザー椎間板減圧術) | |
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1箇所 | 1,200,000円(税込:1,320,000円) | 750,000円(税込:825,000円) | 400,000円(税込:440,000円) | 300,000円(税込:330,000円) | 280,000円(税込:308,000円) |
2箇所 | 1,3000,000円(税込:1,430,000円) | 850,000円(税込:935,000円) | 450,000円(税込:495,000円) | 350,000円(税込:385,000円) | 330,000円(税込:363,000円) |
3箇所 | 1,400,000円(税込:1,540,000円) | 950,000円(税込:1,045,000円) | 500,000円(税込:550,000円) | 400,000円(税込:440,000円) | 380,000円(税込:418,000円) |
4箇所 | 1,500,000円(税込:1,650,000円) | 1,050,000円(税込:1,155,000円) | 550,000円(税込:605,000円) | 450,000円(税込:495,000円) | 430,000円(税込:473,000円) |
保険適応の手術費用
椎間板ヘルニアの保険適応可能な手術費用は以下の通りです。
※当院では保険適応の手術は行っておりません。費用は目安となります。
MED(内視鏡椎間板切除手術) | 250,000円~400,000円(3割負担) |
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脊椎固定術及び除圧手術 | 350,000円~600,000円(3割負担) |
ヘル二コア(椎間板内酵素注入療法) | 40,000円~60,000円(3割負担) |
当院の腰痛治療方法
当院では検査(MRI・レントゲン)の上、診察を行い症状や原因に応じて治療法を決定していきます。椎間板ヘルニア・脊柱管狭窄症や腰椎すべり症に対する椎間板治療が有効な疾患に対して治療を行っており、従来の手術と比較して日帰りで身体への負担が少ない5種類の治療法を提案しています。
ディスクシール治療(Discseel® Procedure)
治療概要
ディスクシール治療(Discseel® Procedure)は腰骨の間にある椎間板を治療する方法です。椎間板は2層構造になっており、中心に水分、その周りを線維輪という膜が覆っています。線維輪に傷が入ると椎間板が変形し、様々な腰の病気になっていきます。ディスクシール治療(Discseel® Procedure)は線維輪の傷を塞ぐ特殊な薬剤を入れ、椎間板の機能を改善させることで腰痛・足の痛み等を緩和させることが期待できる治療法なのです。
メリット
- 傷口が小さい
- 日帰りで治療可能
- 手術時間20~25分程度
リスクや副作用
一般的な手術と同様に感染症・合併症の可能性があります。また治療後に一時的な疼痛、腰の重だるさ等が出現することがありますが2週間程で軽減します。
このような症状の方におすすめ
- 椎間板が変形し、骨と骨の間が狭くなっている方
- 椎間板ヘルニア・脊柱管狭窄症と診断された方
- ご高齢のため外科的手術のリスクが高い方
- 長期入院ができない方
- 外科的手術で改善しなかったまたは再発した方
PIDT法(経皮的椎間板インプラント治療)
治療概要
PIDT法は椎間板ヘルニアに対して有効な治療法です。椎間板内にインプラント化するジェルを入れることで椎間板の内圧を下げ神経に飛び出した椎間板を引き戻し神経への圧迫を軽減する方法です。
メリット
- 傷口が小さい
- 日帰りで治療可能
- 手術時間20~25分程度
リスクや副作用
一般的な手術と同様に感染症・合併症の可能性があります。治療後1~2週間は症状が一時的に悪化する可能性があります。理由として、インプラントによる減圧効果により、周囲の組織をけん引する為と考えられています。
このような症状の方におすすめ
- 椎間板ヘルニアと診断された方
- 外科的手術は避けたい方
- 長期入院ができない方
- 外科的手術を勧められている方
PLOT法(経皮的オゾンレーザー治療)
治療概要
PLOT法は椎間板ヘルニアに対して有効な治療法です。
椎間板内にレーザーを照射し中の椎間板の圧力を下げ、神経への圧迫を減らします。
また炎症が強く出ている箇所にオゾンを噴出することによって神経の炎症を抑えることができます。
PLOT法はオゾン治療とレーザー治療の利点を合わせた治療方法です。
メリット
- 傷口が小さい
- 日帰りで治療可能
- 手術時間20~25分程度
リスクや副作用
一般的な手術と同様に感染症・合併症の可能性があります。
治療を受けた後に今までになかった腰痛や痺れ、太ももに筋肉の張りを感じる場合があります。
症状や状態により個人差がありますが、手術後1週間~1ヵ月程これまでになかった症状が一時的に続くこともあります。
このような症状の方におすすめ
- 椎間板ヘルニアと診断された方
- 外科的手術は避けたい方
- 長期入院ができない方
- 外科的手術を勧められている方
PODT法(経皮的椎間板オゾン治療)
治療概要
PODT法(経皮的椎間板オゾン治療)は椎間板の内圧が高く、炎症が強く続く場合に行う治療法です。
椎間板ヘルニアで椎間板内の内圧が高く、椎間板が飛び出して神経を圧迫している場合には椎間板の中の内圧を下げることによって神経への圧迫を軽減させることを目的とした治療法です。
また軽度な脊柱管狭窄症や痺れの症状が強い場合は、神経周辺にオゾンを噴出することで炎症を抑える効果も期待できます。
メリット
- 傷口が小さい
- 手術時間15分程度
- 原則通院なし
リスクや副作用
一般的な手術と同様に感染症・合併症の可能性があります。治療後に腰痛や痺れ等の症状が一時的に出現する可能性があります。
このような症状の方におすすめ
- 椎間板ヘルニアと診断された方
- 外科的手術は避けたい方
- 長期入院ができない方
- 外科的手術を勧められている方
PLDD法 (経皮的レーザー椎間板減圧術)
治療概要
PLDD法(経皮的レーザー椎間板減圧術)は椎間板ヘルニアで椎間板内の内圧が高く、椎間板が飛び出して神経を圧迫している場合には椎間板の中の内圧を下げることによって神経への圧迫を軽減させることを目的とした治療法です。レーザーにて椎間板内を焼灼し、椎間板収縮することを利用して神経への圧迫を取る治療方法です。
メリット
- 傷口が小さい
- 手術時間15分程度
- 原則通院なし
リスクや副作用
一般的な手術と同様に感染症・合併症の可能性があります。治療後に腰痛や痺れ等の症状が一時的に出現する可能性があります。
このような症状の方におすすめ
- 椎間板ヘルニアと診断された方
- 外科的手術は避けたい方
- 長期入院ができない方
- 外科的手術を勧められている方
一般的な脊柱管狭窄症の手術と当院の椎間板治療の違い
外科的手術と当院の日帰り椎間板治療は手術方法以外にも再発率、入院期間、保険適応の有無に違いがあります。
治療法 | ディスクシール治療(Discseel® Procedure) | MED(内視鏡椎間板切除手術) | 脊椎固定術 | ヘル二コア(椎間板内酵素注入療法) |
---|---|---|---|---|
再発率(治療後2年以内) | 極めて低い | 高い | 極めて高い | 低い |
椎間板の修復・再生効果 | あり | なし | なし | なし |
治療後の椎間板へのダメージ | なし | あり | あり | あり |
入院期間 | 日帰り | 約7日間 | 約21日間 | 日帰りもしくは1泊2日 |
通院の必要 | 基本的に必要なし | 必ず必要 | 必ず必要 | 必要 |
保険適応 | なし | あり | あり | あり |
まとめ
保険診療は手術費用の負担が少なく、緊急で手術が必要な場合に有効な手段になります。しかし、入院や他院後のリハビリをしなければいけないことや、ご高齢や大病を患っている方は手術ができない場合があります。一方自費診療の手術は患者様の費用負担は増えますが、メスを使わないため傷口が小さく、神経を傷つけるリスクが少ないためご高齢・大病を患っている方も手術可能です。手術時間も短く日帰りで帰宅することができます。当院では自費診療の治療を提供しております。当院の治療をご希望される方は一度当院までお気軽にご相談ください。
この記事の著者
医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行
2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任
腰椎椎間板ヘルニア
腰椎椎間板ヘルニアとは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が外に飛び出し神経を圧迫する疾患です。坐骨神経痛、ぎっくり腰などの症状を引き起こします。