患者様の情報

70代 男性

疾患・症状


患者様の状態

6年前に脊柱管狭窄症と診断され、内服薬で様子を見られていましたが、今年2月頃より神経痛が悪化し、杖歩行を余儀なくされるようになりました。もともと皮膚科の開業医であられ、整形外科医の同級生に相談したところ、外科的手術は年齢的にリスクが高いと言われたことから当院を受診されています。


検査

MRI

腰のMRI検査ですが、第3腰椎と第4腰椎の間にある椎間板が潰れ、第3腰椎も前方にずれており、腰椎すべり症と診断致します。同時に神経の通り道である脊柱管も狭くなっており、脊柱管狭窄症の合併を認めます。腰椎の不安定性もあり、外科的手術の場合はボルトでの固定が必要になる可能性が高いと判断されます。


治療

DRT(椎間板再生治療)

椎間板機能と神経周囲の炎症を改善させる目的でDRT(椎間板再生治療)を行いました。

治療風景①

患者様が入室される前の状況です。看護師、放射線技師、医師が治療前の最終確認を行っています。

治療前にレントゲン透視装置を使って、腰の状態を確認しているところです。

治療風景②

椎間板に管を挿入しているところです。石田副院長は、私よりも局所麻酔の量が少ない傾向があります。

治療風景③

DRT(椎間板再生治療)後の腰の状態です。向かって左側が治療前、右側が治療後になります。治療時間は23分でした。


院長の一言

私が、DRT(椎間板再生治療)を受けてから、まもなく1ヵ月が経過します。運動後に出現していた坐骨神経痛と腰部の鈍痛は消失しております。来週には経過観察を目的としてMRI検査を行う予定です。

さて、本日より阪神タイガースが甲子園に帰ってきておりますので、早く帰宅して応援モードに入りたいと思います。


治療法

DRT法(経皮的椎間板再生治療)

治療期間

日帰り

治療費用

1,210,000円~1,540,000円(税込)

リスク・副作用

治療後は内出血・腫れ・発赤・疼痛・かゆみ・変色・および圧痛が発生することがあります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。

禁忌事項

血液疾患に罹患中の方(血小板減少症、高度の欠乏性貧血など)、感染に伴う全身症状(発熱など)、癌・悪性腫瘍と診断され術後治療中の方は治療できません。


この記事の著者

医療法人蒼優会理事長・NLC野中腰痛クリニック院長:野中康行

医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行

2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任


腰部脊柱管狭窄症

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腰部脊柱管狭窄症とは背骨にある神経の通り道「脊柱管」が狭くなる疾患です。腰痛、足の神経障害や歩行困難などの症状を引き起こします。


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腰椎すべり症とは背骨が前方や後方にずれてしまう疾患です。腰痛・足の神経障害の他に間欠性跛行(かんけつせいはこう)の症状を引き起こします。


椎間板変性症

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椎間板変性症とは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が変形する疾患です。椎間板の変形により、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症やすべり症など様々な病気につながる恐れがあります。


坐骨神経痛

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坐骨神経痛とは、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症などを原因とし、腰から下部の臀部や脚に痛みやしびれを感じる症状です。