患者様の情報

30代 女性

疾患・症状


患者様の状態

令和4年2月頃から腰痛と右臀部から足にかけて坐骨神経痛が出現するようになりました。都内の病院を受診され、検査を受けられるも異常は見当たらず、リハビリだけを行われていました。しかし改善が無いばかりか徐々に坐骨神経痛が悪化し、最近では自宅の家事ですら満足に行えない状態となられていました。令和6年2月17日、ご家族の紹介で当院を受診されました。


診察と検査結果

MRI

腰のMRI検査です。MRI検査では、骨の変形もクッションである椎間板にも明らかな異常は見当たりません。わずかにL5/Sの椎間板に変性が見られる程度です。坐骨神経痛の原因となる椎間関節障害や仙腸関節障害、梨状筋症候群を示唆する神経学的所見は認めませんでした。通常の診察であれば、原因不明の腰痛と坐骨神経痛に分類されてしまうと思います。


施術内容

DST(ディスクシール治療)

原因不明とされる坐骨神経痛の中にはMRI画像でも映らない、わずかな椎間板の損傷が坐骨神経痛の原因になっていることが海外でも多数報告がされています。今回は直接椎間板に対してアメリカで行われているAnnulargramと呼ばれる検査を行い、MRIでも映らない損傷の有無を判定しました。

腰のクッションである椎間板にAnnulargramと呼ばれる検査しているところです。MRIでは映らない損傷がはっきりと黒く映し出されています。損傷部分からの炎症が神経に作用し坐骨神経痛を引き起こしていると考えられます。
※アメリカで行われているAnnulargramはDST(ディスクシール治療)と同様にライセンス契約が必要であり、現時点で日本国内では当院のみが行うことができる検査方法となっています。

椎間板の損傷部分が判明しましたので、損傷を修復する目的でDST(ディスクシール治療)を行っているところです。

治療風景

向かって左側が治療前のレントゲン写真で、向かって右側が治療後のレントゲン写真です。検査から治療まで18分でした。治療2時間後には坐骨神経痛が半減しており、患者様には大変喜んで頂けました。


院長の一言

原因が不明とされる腰痛や坐骨神経痛であっても、痛みが生じている原因は必ず存在します。ただ従来の検査では原因が特定できないだけです。我々のクリニックでは北米で行われているAnnulargramと呼ばれる特殊な精密検査を行うことで、原因不明とされていた腰痛や坐骨神経痛の原因を特定し、日帰りで治療を行っています。原因が不明で治療法が無いと諦められていた方も当院にご連絡頂ければと思います。


治療法

DST法(ディスクシール治療)

治療期間

日帰り

治療費用

1,320,000円~1,650,000円(税込)

リスク・副作用

治療後2週間程度は一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。


この記事の著者

医療法人蒼優会理事長・NLC野中腰痛クリニック院長:野中康行

医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行

2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任


椎間板変性症

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椎間板変性症とは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が変形する疾患です。椎間板の変形により、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症やすべり症など様々な病気につながる恐れがあります。


坐骨神経痛

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坐骨神経痛とは、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症などを原因とし、腰から下部の臀部や脚に痛みやしびれを感じる症状です。