患者様の情報

80代 女性

疾患・症状


患者様の状態

令和4年12月より腰痛と右足ふくらはぎ部分の神経痛が出現する様になりました。近くの整形外科では内服薬による治療を開始されましたが、改善が乏しい為に当院を紹介受診されています。


診察と検査結果

MRI

腰のMRI検査ですが、第3腰椎から第5腰椎の間にある椎間板が潰れて飛び出しています。この様な状態を椎間板変性症椎間板ヘルニアと言い、坐骨神経痛の原因として有名です。


施術内容

DST法(ディスクシール治療)

椎間板ヘルニアによる炎症を改善させるために検査と椎間板4箇所(L2/L3、L3/L4、L4/L5、L5/S1)に対してDST(ディスクシール治療)を行いました。

治療風景①

鎮静剤で寝ていただいた上で背中に局所麻酔を投与いたしました。患者様は治療中の記憶も不安もなく治療が行えます。

治療風景②

椎間板の隙間がほとんど無い状態でしたが、骨の変形は強くありませんでしたのでNST針(やわらかめで形成変化がしやすい)を使用致しました。

椎間板を検査したところ損傷部分が確認されましたのでDST(ディスクシール治療)を行いました。治療時間は18分でした。患者様は治療後3分ほどでお目覚めになられています。


院長の一言

当院でも麻酔薬として笑気麻酔(N2O)を使用する事があります。笑気ガスを吸入することで鎮静作用と鎮痛作用が得られますが吸入量が少量ですとお酒に酔ったような気分になり酩酊に近い状態になります。もともと笑気麻酔は16世紀ぐらいにヨーロッパで発達した麻酔なのですが、当時は貴族階級の人たちが笑気ガスを吸入し遊んでいたらしく、ガスを吸うと笑いだすことから「笑気」と呼ばれるようになったそうです。
9月に入っておりますが残暑の厳しい日々が続いております。体調管理に気を付けていきたいと思います。


治療法

DST法(ディスクシール治療)

治療期間

日帰り

治療費用

1,320,000円~1,650,000円(税込)

リスク・副作用

治療後2週間程度は一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。


この記事の著者

医療法人蒼優会理事長・NLC野中腰痛クリニック院長:野中康行

医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行

2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任


腰椎椎間板ヘルニア

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腰椎椎間板ヘルニアとは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が外に飛び出し神経を圧迫する疾患です。坐骨神経痛、ぎっくり腰などの症状を引き起こします。


椎間板変性症

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椎間板変性症とは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が変形する疾患です。椎間板の変形により、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症やすべり症など様々な病気につながる恐れがあります。


坐骨神経痛

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坐骨神経痛とは、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症などを原因とし、腰から下部の臀部や脚に痛みやしびれを感じる症状です。