患者様の情報
70代 女性
疾患・症状
患者様の状態
昔から腰痛は自覚されていましたが、今年4月にベッドから転落し腰痛が悪化してしまわれました。日常生活もできない状態であり、入院での治療を行いましたが改善が乏しい状態が続いたため当院を受診されています。
診察と検査結果
腰のMRI検査ですが、第2腰椎以下の椎間板が全て潰れかけており変形しております。椎間板の容量は正常と比較して50%以上低下しています。このような状態を椎間板変性症と椎間板ヘルニアと言います。また足の神経が通っている脊柱管と呼ばれるスペースも狭くなっています。
施術内容
ディスクシール治療(Discseel® Procedure)
椎間板周囲に生じている炎症が腰痛の原因と考え検査から治療まで行っております。
鎮静剤は使用せずに局所麻酔のみで治療を行っております。患者様の希望に合わせて治療を行っています。
治療用の管はNST針を使用しています。骨の変形が強いために追従性を高めた管になります。もちろん神経障害などを引き起こさないように先端が鈍形状をしています。
レントゲン透視装置を用いてNST針の位置を椎間板検査しやすいように微調整しております。
椎間板の損傷部位を検査しているところです。この後、椎間板5箇所(L1/L2、L2/L3、L3/L4、L4/L5、L5/S1)に対してディスクシール治療(Discseel® Procedure)を行っております。治療時間は17分でした。
院長の一言
本日は少し寝不足気味でした。阪神タイガースが優勝したため0時近くまで起きていたためです。それにしても阪神タイガースは本当に強いチームです。医療も同じくチーム医療が主流となっており、医師だけの力だけでなく看護師、放射線技師などの力量と適材適所の配置が医療レベルを引き上げます。当院でも各種研修会への参加を通してスタッフの育成に努めておりますが、今後も阪神タイガースに負けないようにチーム力を強化し続けていきたいと思います。今日は早く寝たいと思います。笑
治療法
ディスクシール治療(Discseel® Procedure)
治療期間
日帰り
治療費用
1,320,000円~1,650,000円(税込)
リスク・副作用
治療後2週間程度は一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。
この記事の著者
医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行
2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任
腰椎椎間板ヘルニア
腰椎椎間板ヘルニアとは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が外に飛び出し神経を圧迫する疾患です。坐骨神経痛、ぎっくり腰などの症状を引き起こします。
腰部脊柱管狭窄症
腰部脊柱管狭窄症とは背骨にある神経の通り道「脊柱管」が狭くなる疾患です。腰痛、足の神経障害や歩行困難などの症状を引き起こします。
椎間板変性症
椎間板変性症とは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が変形する疾患です。椎間板の変形により、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症やすべり症など様々な病気につながる恐れがあります。