患者様の情報
40代 男性
疾患・症状
患者様の状態
2011年ごろより腰痛を自覚されておられました。近くの医院で針治療などをされていましたが、改善がない状態であられました。前かがみの姿勢や長時間の運転が出来なくなり、右足に神経痛が出現するようになられたため、当クリニックに治療目的で来院されています。
診察と検査結果
腰のMRI検査ですが、第2腰椎から第1仙骨まで椎間板の変性とヘルニアを認めます。特に第4腰椎と第5腰椎および第1仙骨の間の椎間板では変形が強く見られます。
施術内容
ディスクシール治療(Discseel® Procedure)
椎間板を検査したところ、4箇所(L2/L3、L3/L4、L4/L5、L5/S1)損傷が認められましたのでディスクシール治療(Discseel® Procedure)を行いました。
通訳のスタッフを交えて治療の準備を行っています。
海外の患者様でも、検査から治療までの準備は同じで部分麻酔から開始いたします。
治療用の管を椎間板まで挿入していきます。通訳を介して痛みの程度に合わせて麻酔の量を調整したので、痛みはほとんど感じられませんでした。
椎間板を検査しているところです。損傷の部位を見つけて治療を行っていきました。患者様には治療中にご説明したかったのですが、動画の説明は治療後で良いとの事でした。治療時間は18分でした。2時間後には歩いて退院していただきました。
院長の一言
先月末、石田副院長には北米研修だけでなくインドネシア(ジャカルタ)の先端病院も訪問してもらっていました。
ジャカルタの一般の方々に対する医療レベルは劣悪であるため、裕福層向けの医療センターですべて自費治療の先端病院になります。施設は写真の様にまるでホテルの様な作りで、中庭には豪華なテラスが用意されており、MRI検査では患者様用のテレビモニターが設置されており超豪華な設備でした。入院費用は部屋代で1日で4万円するらしく、ジャカルタの一般市民の月収に匹敵するそうです。
今後治療レベルが上がってくると、日本からジャカルタに治療を受けに行かれる患者様もおられるかもしれませんね。
治療法
ディスクシール治療(Discseel® Procedure)
治療期間
日帰り
治療費用
1,320,000円~1,650,000円(税込)
リスク・副作用
治療後2週間程度は一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。
この記事の著者
医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行
2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任
腰椎椎間板ヘルニア
腰椎椎間板ヘルニアとは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が外に飛び出し神経を圧迫する疾患です。坐骨神経痛、ぎっくり腰などの症状を引き起こします。
椎間板変性症
椎間板変性症とは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が変形する疾患です。椎間板の変形により、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症やすべり症など様々な病気につながる恐れがあります。
坐骨神経痛
坐骨神経痛とは、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症などを原因とし、腰から下部の臀部や脚に痛みやしびれを感じる症状です。