患者様の情報

70代 男性

疾患・症状


患者様の状態

30年前に椎間板ヘルニアと診断され、外科的手術を行われ以後は症状も無く生活されておられました。3年前に脊柱管狭窄症を患われましたが、外科的手術後(固定術)は日常生活にも支障はなかったそうです。しかし最近になり腰痛が出現する様になり、年齢的にも外科的手術は困難となってこられたことから当クリニックを受診されました。


診察と検査結果

レントゲン

腰のレントゲン検査ですが第4腰椎と第5腰椎にはボルト固定が行われています。その結果上下の腰椎に負担が増え椎間板が潰れている状態になっています。負担が増える事を隣接椎間障害、椎間板が潰れている事を椎間板変性症とそれぞれ名前がついています。


施術内容

ディスクシール治療(Discseel® Procedure)

潰れた椎間板4箇所(L2/L3、L3/L4、L4/L5、L5/S1)による機能低下から腰椎が不安定となり腰痛が出現している椎間板性腰痛症と判断しディスクシール治療(Discseel® Procedure)を行いました。

治療風景

背中に部分麻酔を行った後に治療用の管を椎間板まで挿入しています。骨の変形も伴っていること、また椎間板の隙間が少なくなっている事から難渋いたしました。

手間取りながら椎間板に管を挿入したあとに椎間板の検査を行いました。黒く映っている部分が椎間板の損傷部分となりディスクシール治療(Discseel® Procedure)が必要な箇所です。治療時間は21分、2時間後には歩いて帰宅していただきました。


院長の一言

4月17日から半月間にわたり石田貴樹副院長が北米に椎間板治療研修に行かれます。すでに国内での治療実績も十分ございますが、治療技術の向上およびライセンス獲得と新たな治療法導入を目的として研修施設でトレーニングを積んで頂く予定です。また、その期間は私と山崎医師の2名で国内外の患者様の治療にあたります。そして私自身も11月頃に海外研修(北欧)を予定しております。今年度は非常に忙しくなりそうです。


治療法

ディスクシール治療(Discseel® Procedure)

治療期間

日帰り

治療費用

1,320,000円~1,650,000円(税込)

リスク・副作用

治療後2週間程度は一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。


この記事の著者

医療法人蒼優会理事長・NLC野中腰痛クリニック院長:野中康行

医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行

2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任


椎間板変性症

椎間板変性症

椎間板変性症とは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が変形する疾患です。椎間板の変形により、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症やすべり症など様々な病気につながる恐れがあります。