患者様の情報

90代 男性

疾患・症状


患者様の状態

80歳の頃から腰痛発作を繰り返すようになられましたが、日常生活を含めて農作業等も可能な状態であられました。97歳頃より慢性の腰痛が出現するようになられ、歩行するのにも杖が必要な状態でした。最近では自宅内でしか歩けないような状況になられましたが、今回8月にひ孫様の結婚式があり、どうしても歩いて参列したいと希望されたので当クリニックを受診されています。


診察と検査結果

MRI

腰のMRI検査ですが、第2腰椎から第5腰椎まで椎間板が潰れている状態です。この様な状態を椎間板変性症と言い腰痛の原因となります。また椎間板は飛び出した様な変形を伴っており椎間板ヘルニアと呼ばれます。足の神経も圧迫を受けており脊柱管狭窄症を合併しています。


施術内容

DST法(ディスクシール治療)

損傷した椎間板4箇所(L2/L3、L3/L4、L4/L5、L5/S1)に対してDST(ディスクシール治療)を施行しました。

治療風景①

鎮静剤を使用し寝ていただきました。ご高齢であられましたので鎮静剤は少量しか使用しておりません。

椎間板まで治療用の管を挿入した後、椎間板を検査しているところです。損傷部分を確認しDST(ディスクシール治療)を行いました。治療時間は17分。治療終了後3分程度でお目覚めになられました。


院長の一言

本日は副院長の石田貴樹先生と治療担当医の山崎文平先生と共に診療をしておりました。忙しいのは当たり前ですが、多くの先生と共に治療にあたることはやりがいの向上にも繋がり、いつも以上に張り切って診療にあたることができました。

昨日はスギ花粉も少しずつ落ち着いてきましたので近所の公園まで花見に出かけました。人手も多いのかと思っていましたが、誰もおらずゆっくりと花見を楽しめました。

桜

また古本屋さんで上田秀人著の高家表裏譚第1巻【跡継】を手に入れ、自分の時間を堪能した1日でした。


治療法

DST法(ディスクシール治療)

治療期間

日帰り

治療費用

1,320,000円~1,650,000円(税込)

リスク・副作用

治療後2週間程度は一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。


この記事の著者

医療法人蒼優会理事長・NLC野中腰痛クリニック院長:野中康行

医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行

2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任


腰椎椎間板ヘルニア

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腰椎椎間板ヘルニアとは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が外に飛び出し神経を圧迫する疾患です。坐骨神経痛、ぎっくり腰などの症状を引き起こします。


腰部脊柱管狭窄症

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腰部脊柱管狭窄症とは背骨にある神経の通り道「脊柱管」が狭くなる疾患です。腰痛、足の神経障害や歩行困難などの症状を引き起こします。


椎間板変性症

椎間板変性症

椎間板変性症とは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が変形する疾患です。椎間板の変形により、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症やすべり症など様々な病気につながる恐れがあります。