患者様の情報
60代 男性
疾患・症状
患者様の状態
2019年4月頃より、左足に神経痛を自覚されるようになられました。徐々に神経痛は悪化し、最近では歩行もままならない状態となり、杖歩行となっておられました。今回、坐骨神経痛を取り除き、しっかりと歩けるようになることを目的に当院を受診されました。
診察と検査結果
腰のMRIですが第3腰椎と第1仙骨まで椎間板の容量が30%以上減少しております(椎間板変性症GradeⅣ)。また、椎間板は変形を伴っており椎間板ヘルニアと呼ばれる状態です。同時に、足の神経も圧迫を受けており脊柱管狭窄症になっています。その他、第3腰椎は前方へずれておりすべり症と診断されます。
施術内容
ディスクシール治療(Discseel® Procedure)
椎間板に対して検査を行い、椎間板の損傷部分4箇所(L2/L3、L3/L4、L4/L5、L5/S1)に対してディスクシール治療(Discseel® Procedure)を施行致しました。
治療用の管は、NST針と呼ばれるS字カーブ状のものを使用しております。骨の変形が強くても操作性が良く確実に椎間板を捉える事が出来ます。
患者様に椎間板検査とディスクシール治療(Discseel® Procedure)のご説明をしながら治療を行いました。
椎間板の損傷部分を検査している動画です。損傷は中等度と判定しております。治療時間は17分であり、2時間ほどの安静の後に帰宅していただきました。
院長の一言
今朝、アメリカ研修中の石田副院長より連絡があり、順調に最終研修まで進んでいるとの事でした。
2ショット写真です。
今後は治療担当医の山崎医師も北米研修を予定しており日程を調整中です。山崎医師は日本国内での治療研修は終了しておりますので、ライセンステストは問題なくクリアできるレベルと考えます。昨年度、当院の年間治療件数は900件を超えておりますが、今年度は1,000件を超える見込みです。忙しくなりますが体に気を付けて頑張りたいと思います。
治療法
ディスクシール治療(Discseel® Procedure)
治療期間
日帰り
治療費用
1,320,000円~1,650,000円(税込)
リスク・副作用
治療後2週間程度は一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。
この記事の著者
医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行
2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任
腰椎椎間板ヘルニア
腰椎椎間板ヘルニアとは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が外に飛び出し神経を圧迫する疾患です。坐骨神経痛、ぎっくり腰などの症状を引き起こします。
腰部脊柱管狭窄症
腰部脊柱管狭窄症とは背骨にある神経の通り道「脊柱管」が狭くなる疾患です。腰痛、足の神経障害や歩行困難などの症状を引き起こします。
腰椎すべり症
腰椎すべり症とは背骨が前方や後方にずれてしまう疾患です。腰痛・足の神経障害の他に間欠性跛行(かんけつせいはこう)の症状を引き起こします。
椎間板変性症
椎間板変性症とは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が変形する疾患です。椎間板の変形により、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症やすべり症など様々な病気につながる恐れがあります。
坐骨神経痛
坐骨神経痛とは、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症などを原因とし、腰から下部の臀部や脚に痛みやしびれを感じる症状です。