患者様の情報
60代 女性
疾患・症状
患者様の状態
昨年12月頃より、右足に坐骨神経痛としびれが出現する様になられました。近くの整形外科で椎間板ヘルニアと診断され、痛み止めの処方が為されましたが改善が無い状態であれました。昨年ご主人様が当院で椎間板治療を受けられ、症状が改善していることから勧められて受診されています。
診察と検査結果
腰のMRI検査ですが、第4腰椎と第5腰椎および第1仙骨の間にある椎間板が黒く映っており、椎間板が痛んでいることが分かります(椎間板変性症と言います)。また椎間板も変形し飛び出しており、椎間板ヘルニアと呼ばれる状態になっています。
施術内容
ディスクシール治療(Discseel® Procedure)
椎間板ヘルニア2箇所(L4/L5、L5/S1)に対して検査を行い、損傷が軽ければPLDD(経皮的椎間板減圧術)やPIDT(ディスコゲル)を行い、損傷が繊維輪に及んでいるようであればディスクシール治療(Discseel® Procedure)を行うこととし、治療を開始いたしました。
背中に局所麻酔を行っているところです。非常に細い針ですので痛みはほとんど感じられませんでした。
治療用の管を椎間板まで挿入しています。麻酔が良く効いておりましたので患者様は背中を少し圧迫されている感覚しかありません。
椎間板を検査しているところです。黒く映っている部分は、椎間板の損傷が中等度以上ある事を意味しますのでディスクシール治療(Discseel® Procedure)を行う事になりました。治療時間は17分でした。
院長の一言
当院では日帰りでの腰痛治療を行っておりますが、治療中に椎間板検査も行っております。検査方法としては、椎間板内圧検査や椎間板造影検査となり、損傷した椎間板の状態に合わせて複数の治療法を選択しております。また、治療実績においても年間900件以上(今年の目標は1,000件)であり、自信を持って治療を行っております。さらに検査から治療まで20分以内ですが、鎮静剤や麻酔を駆使し患者様の負担が最小限になるように図っており、ご高齢の患者様でも負担が少なく日帰りでの治療させて頂いております。
昨日は大学時代の先輩が東京から奈良に来ておりましたので法隆寺を案内してまいりました。
奈良にお立ち寄りの際には東大寺(大仏殿)だけでなく、日本最古の木造建築である法隆寺にもお立ち寄りくださればと思います。
治療法
ディスクシール治療(Discseel® Procedure)
治療期間
日帰り
治療費用
1,320,000円~1,650,000円(税込)
リスク・副作用
治療後2週間程度は一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。
この記事の著者
医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行
2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任
腰椎椎間板ヘルニア
腰椎椎間板ヘルニアとは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が外に飛び出し神経を圧迫する疾患です。坐骨神経痛、ぎっくり腰などの症状を引き起こします。
椎間板変性症
椎間板変性症とは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が変形する疾患です。椎間板の変形により、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症やすべり症など様々な病気につながる恐れがあります。
坐骨神経痛
坐骨神経痛とは、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症などを原因とし、腰から下部の臀部や脚に痛みやしびれを感じる症状です。