患者様の情報
60代 男性
疾患・症状
患者様の状態
平成30年に当クリニックで脊柱管狭窄症に対してディスクシール治療(Discseel® Procedure)を行い、元々あった坐骨神経痛は9割方改善を認め、歩行も楽になっておられました。しかし、しびれが残存しているのが気になり、当クリニックを3年ぶりに受診されました。
診察と検査結果

厚生労働省のガイドラインにより治療前と治療後の画像を提示する事ができないのですが、椎間板容量の改善をMRIにて観察することができております。この写真は来院時のMRI検査になります。下肢のしびれの原因としては、恒久的な神経障害(後遺症)や神経周囲の癒着病変等が関与している可能性があります。
施術内容
PODT法
腰椎L3/L4、L4/L5部分の2箇所に治療を行いました。ディスクシール治療(Discseel® Procedure)を行った後、椎間板の機能改善がみられるにも関わらずしびれが残存している場合には、PODT(経皮的椎間板オゾン治療)を行う事でしびれの改善が期待されます。有効率は約60%となっております。尚PODTは主にEU圏で保険治療として行われている治療です。

局所麻酔を用いて治療用の管を椎間板まで挿入していきます。
左側の画像がオゾン治療前、右側の画像がオゾン治療中の画像となります。オゾンの投与により、右側の画像では椎間板と脊柱管と呼ばれる神経の通り道が白く映ります。治療時間は20分程で終了しております。治療後はしびれが3割程度改善を認めましたが、最大効果が出現するには1ヵ月は必要となります。
院長より一言
当院では5種類の椎間板治療を組み合わせて、治療を行っております。治療それぞれに特徴があり、患者様の状態に合わせて、最善の治療方法を提供しております。いずれも日帰り治療が可能となっております。遠隔相談も承っており専属スタッフが対応しておりますので、お気軽に電話ないしメールでご連絡いただければと思います。
今回の治療法
PODT法(経皮的椎間板オゾン注入療法)
治療期間
日帰り
治療費用
330,000円~495,000円(税込)
リスク・副作用
治療を受けた後に今までになかった腰痛や痺れ、太ももに筋肉の張りを感じる場合があります。症状や状態により個人差がありますが、手術後1週間~1ヵ月程、これまでになかった症状が一時的に続くこともあります。また、外科的手術と比べると確率は非常に低くなりますが、治療箇所からの感染症や合併症などのリスクがあります。
関連するの疾患と症状

腰椎椎間板ヘルニア

腰椎椎間板ヘルニアとは、背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が外に飛び出し、神経を圧迫する疾患です。坐骨神経痛やぎっくり腰などの症状を引き起こします。

腰部脊柱管狭窄症

腰部脊柱管狭窄症とは、背骨にある神経の通り道「脊柱管」が狭くなる疾患です。腰痛や足の神経障害、歩行困難などの症状を引き起こします。

椎間板変性症

椎間板変性症とは、背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が変形する疾患です。椎間板の変形により、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症、腰椎すべり症などの様々な病気につながる恐れがあります。
この記事の著者

大阪本院 院長野中 康行
2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任