患者様の情報
20代 男性
疾患・症状
診察と検査結果
1年以上前より腰痛を自覚されておられましたが、特に前かがみと腰をねじるような動作で腰痛が増悪する傾向にあるとの事でした。患者様は、遠隔画像相談をご利用いただくことで事前にMRI画像を送って頂き、治療も可能である事をお伝えしておりましたので、当日診察から治療まで1日で完結させる予定をしておりました。
腰を横から見た写真(MRI検査)ですが、向かって右側が背中側、向かって左側がお腹側となります。腰は腰椎と呼ばれる小さな骨が縦に並んで出来ており、腰椎と腰椎の隙間にはクッションの働きがある椎間板が存在します。また傍には足の神経が通っております。この写真では、通常白く映る椎間板が黒く映っている部分が1箇所あります。黒く映っている椎間板は椎間板変性(Grade I)と言われ、椎間板性腰痛症の原因となります。椎間板性腰痛症では、前かがみで腰痛が出現しやすい特徴があります。
施術内容
PLDD法(経皮的レーザー椎間板減圧術)
椎間板変性症の原因である椎間板内の圧力上昇に対して、PLDD(椎間板減圧治療)をお勧めし、腰椎L4/5部分1箇所を治療を行いました。PLDDによる腰痛改善率は、状態にもよりますが84~86%前後となっております。
患者様にはうつ伏せに寝ていただき、局所麻酔のみを用いて治療を行います。治療時間は15分程度であり、治療中はさほど痛みはございません。
椎間板内をこのようなレーザーを用いて減圧していきます。
術後
2時間程度ベッドでお休みいただき、その後は歩いて帰宅していただきました。翌日からお仕事も可能である旨ご説明しましたが、ゴルフなどの負担のかかるスポーツに関しては1ヵ月程度はお休みいただければとお伝えいたしました。
※治療効果は個人差があります。
院長より一言
遠方よりお越しの患者様におかれましては、当日治療を円滑に行うにあたり事前に画像を送って頂き、治療に関しての事前相談が可能でございます。もちろん当院でもMRI検査を含めて当日診察から当日治療まで1日で治療を完結する事も出来ますが、治療をご希望される前に治療が可能であるのか? どのような治療が概ね適応になるのか? などに関してご説明が可能となっております。現在、欧州やアジアを含めた患者様よりの遠隔画像相談は週に3件~4件ほど受け賜っておりますが、日本国内においてもコロナで出歩く事を極力避けたい患者様には、良い方法ではないかと考えます。
治療法
PLDD法(経皮的レーザー椎間板減圧術)
治療期間
日帰り
治療費用
308,000円~473,000円(税込)
リスク・副作用
治療を受けた後に今までになかった腰痛や痺れ、太ももに筋肉の張りを感じる場合があります。症状や状態により個人差がありますが、手術後1週間~1ヵ月程これまでになかった症状が一時的に続くこともあります。また外科的手術と比べると確率は非常に低くなりますが、治療箇所からの感染症や、合併症などのリスクがあります。
この記事の著者
医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行
2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任
腰椎椎間板ヘルニア
腰椎椎間板ヘルニアとは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が外に飛び出し神経を圧迫する疾患です。坐骨神経痛、ぎっくり腰などの症状を引き起こします。
椎間板変性症
椎間板変性症とは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が変形する疾患です。椎間板の変形により、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症やすべり症など様々な病気につながる恐れがあります。