患者様の情報
80代 男性
疾患・症状
患者様の状態
長年腰痛に悩まされておられました。最近になり足の痛みと異様な感覚(しびれ)が出現してきたために近くの整形外科に受診されたところ、脊柱管狭窄症と坐骨神経痛と診断されました。外科的手術は出来ないと言われましたので当クリニックを受診されました。
診察と検査結果
腰を横から見た写真(MRI)です。向かって右側が背中側となります。腰は小さな骨である腰椎が縦に並んで出来ております。腰椎と腰椎の間にはクッションである椎間板があり、腰の負担軽減や関節として働いています。傍には足の神経が通っております。この写真(MRI)では、椎間板が2、3箇所で潰れており、飛び出したような変形(椎間板ヘルニア)を認めます。また神経の通り道も狭くなっており、脊柱管狭窄症と診断されます。
施術内容
ディスクシール治療(Discseel® Procedure)
腰椎L2/3・L3/4・L4/5部分に治療を行いました。椎間板を治療し、腰椎の負担軽減と関節の動揺を抑える事で神経症状の改善を図ります。
患者様にはうつ伏せに寝ていただき、局所麻酔で痛みを取り除いていきます。その後、治療用の管(直径0.8mm)を潰れた椎間板まで挿入していきます。患者様は痛みをほとんど感じられませんでした。
確実に椎間板まで治療用の管を挿入する為、レントゲン検査(X線透視装置)を行いながら処置を進めます。
椎間板に管が挿入された後は、検査と治療を行います。検査を行いつつ治療方法を最終決定し、その場で治療を行います。
治療時間は22分でした。
術後
2時間ほどベッドでお休みいただきましたが、問題なく歩いて帰宅していただきました。
※治療効果は個人差があります。
院長より一言
本日ご紹介させて頂いた患者様は、山形県よりお越しの方でした。当クリニックの治療は原則1度の治療で完結し、傷跡も残らず治療後の診察も原則必要ございません。従って、遠方からの患者様にも対応可能となっております。今回はディスクシール治療(Discseel® Procedure)を行いましたが、ディスクシール治療(Discseel® Procedure)は北米(アメリカ)では多数の病院で行われており、同じように日帰りでの治療が基本となっております。
治療法
ディスクシール治療(Discseel® Procedure)
治療期間
日帰り
治療費用
1,320,000円~1,650,000円(税込)
リスク・副作用
治療後2週間程度は一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。
この記事の著者
医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行
2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任
腰椎椎間板ヘルニア
腰椎椎間板ヘルニアとは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が外に飛び出し神経を圧迫する疾患です。坐骨神経痛、ぎっくり腰などの症状を引き起こします。
腰部脊柱管狭窄症
腰部脊柱管狭窄症とは背骨にある神経の通り道「脊柱管」が狭くなる疾患です。腰痛、足の神経障害や歩行困難などの症状を引き起こします。
腰椎すべり症
腰椎すべり症とは背骨が前方や後方にずれてしまう疾患です。腰痛・足の神経障害の他に間欠性跛行(かんけつせいはこう)の症状を引き起こします。
椎間板変性症
椎間板変性症とは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が変形する疾患です。椎間板の変形により、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症やすべり症など様々な病気につながる恐れがあります。
坐骨神経痛
坐骨神経痛とは、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症などを原因とし、腰から下部の臀部や脚に痛みやしびれを感じる症状です。