患者様の情報
30代 男性(オーストラリア籍)
疾患・症状
患者様の状態
1年前に椎間板ヘルニアに対して外科的手術を行われましたが、右足の神経痛が持続しており、北米で行われているディスクシール治療を検討されていました。北米の医療機関に問い合わせたところ、日本でも治療が可能である事をお知りになり、移動距離とコストを検討した結果、来日されました。
検査
腰のMRI検査です。第4腰椎と第5腰椎の間にある椎間板が脱出しており、椎間板ヘルニアと診断されます。椎間板容量も減少しております。また、外科的手術後の再発と考えます。
施術内容
ディスクシール治療
椎間板に対してAnnulogram検査を行ったところ、損傷部位が特定できたため、ディスクシール治療を行っております。
鎮静剤の使用を希望されました。寝ていただいて治療を行っております。
Annulogram検査をしているところです。椎間板の損傷部分が黒く映し出されおり、ディスクシール治療の適応個所となります。
治療後、患者様に日本についてどう思うかと聞いたところ、「アメリカに行くよりも近くて、物価が安くて最高!日本でスノーボードをしたい!!」との事でした。
院長の一言
在日米軍所属のアメリカ軍人からディスクシール治療について問い合わせがありました。最近、アメリカで軍人の方にディスクシール治療を行う場合には、国の保険が適応されるようになったためです。日本でもアメリカ政府の保険が使えるか?と質問されたのですが、日本国内では適応がないため、保険は使えないとお答えしております。今後、適応が広がるとよいと思います。
本格的に寒くなってきましたので、我が家もコタツを出しましたが、一度入ると動けなくなってしまいます。あかんやつです。
治療法
ディスクシール治療(Discseel® Procedure)
治療期間
日帰り
治療費用
1,320,000円~1,650,000円(税込)
リスク・副作用
治療後2週間程度は一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。
この記事の著者
医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行
2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任
腰椎椎間板ヘルニア
腰椎椎間板ヘルニアとは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が外に飛び出し神経を圧迫する疾患です。坐骨神経痛、ぎっくり腰などの症状を引き起こします。