患者様情報
80歳(治療当時79歳)・男性
病名
治療当時の状況
令和4年12月に慢性腰痛と右足の坐骨神経痛を主訴に来院された患者様です。仕事にも支障が生じておられたようですが、何よりゴルフが楽しめなくなったために、当院を受診されています。同日、ディスクシール治療を行いました。1ヵ月後の経過連絡では、慢性腰痛と坐骨神経痛が半減しておりました。令和5年3月にはゴルフを再開できるまで改善しておられましたが、令和5年10月頃よりゴルフをした際に軽い腰痛発作が出現するようになりました。その後も改善がないために、令和6年1月26日当院を受診されています。
治療記録
令和4年12月に第4腰椎と第5腰椎の間にある椎間板に対してディスクシール治療を行いました。治療時間は鎮静剤を使用して18分でした。
治療箇所のMRI比較
治療前
第4腰椎と第5腰椎の間にある椎間板の変形を認めます。
治療後
椎間板の変形は明らかに改善しています。
問題点
ディスクシール治療によって椎間板機能の改善は図られ、慢性腰痛と坐骨神経痛は消失しています。MRI検査でも腰痛発作の原因を特定できる異常は見当たりませんでした。しかし、運動時に腰痛発作が出現する状態であり、体幹筋力の低下と関節柔軟性の低下による関節障害(椎間関節障害)が原因であると判断いたしました。
対策
腰痛リハビリの指導を行いました。具体的にはリハビリ指導書をお渡しして、プール歩行等のトレーニングを3ヵ月続けていただく様に指示しております。
院長の一言
スポーツを楽しむためにディスクシール治療を希望される患者様は多いのですが、症状が改善後に過度の負荷をかけると椎間板以外の部位(筋膜や靱帯、関節など)に炎症が生じ、腰痛発作を引き起こすことがあります。予防には運動をするための体作りが大切であると考えております。
治療法
ディスクシール治療(Discseel® Procedure)
治療期間
日帰り
治療費用
1,320,000円~1,650,000円(税込)
リスク・副作用
治療後2週間程度は一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。
この記事の著者
医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行
2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任
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