患者様の情報
80代 男性
疾患・症状
患者様の状態
5年ほど前に脊柱管狭窄症と診断され、外科的手術を受けられている方です。ここ数年は症状が悪化しており、歩く事も苦痛な状態となられ一刻も早く症状の改善を希望されたため当院を受診されました。
診察と検査結果
腰のMRI検査結果ですが、第3腰椎の圧迫骨折を認めます。またクッションである椎間板も潰れており、椎間板変性症および椎間板ヘルニアと診断致します。神経も圧迫を受けており、脊柱管狭窄症と診断されます。
施術内容
ディスクシール治療(Discseel® Procedure)
治療方法としては椎間板容量が50%以上低下している部分が多く、ディスクシール治療(Discseel® Procedure)が第一選択と考え、検査と椎間板4箇所(L2/L3、L3/L4、L4/L5、L5/S1)に対してディスクシール治療(Discseel® Procedure)を行いました。
椎間板の状態をご一緒に確認されるために鎮静剤は使用しませんでした。背中への局所麻酔のみで治療を開始しております。
椎間板と腰椎の変形が強い為に治療用の管は硬度の高いものを使用致しました。特に神経や血管を傷つけない様に細心の注意を払っております。
椎間板検査を行っているところになります。患者様にも損傷部分を確認していただきました。治療時間は16分程でした。治療直後より下肢のしびれに関して改善が見られました。
院長の一言
11月に渡米を予定しておりますが、目的は治療技術の向上になります。今年4月より北米では椎間板治療の保険適応が一部で開始されたこともあり、治療件数が大幅に伸び、長期成績や治療箇所などに関して新たな知見が得られているようです。わずかな研修期間ではありますが、国内外の患者様に対する治療は石田副院長と山崎治療担当医に診療を任せるつもりです。
治療法
ディスクシール治療(Discseel® Procedure)
治療期間
日帰り
治療費用
1,320,000円~1,650,000円(税込)
リスク・副作用
治療後2週間程度は一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。
この記事の著者
医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行
2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任
腰椎椎間板ヘルニア
腰椎椎間板ヘルニアとは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が外に飛び出し神経を圧迫する疾患です。坐骨神経痛、ぎっくり腰などの症状を引き起こします。
腰部脊柱管狭窄症
腰部脊柱管狭窄症とは背骨にある神経の通り道「脊柱管」が狭くなる疾患です。腰痛、足の神経障害や歩行困難などの症状を引き起こします。
椎間板変性症
椎間板変性症とは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が変形する疾患です。椎間板の変形により、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症やすべり症など様々な病気につながる恐れがあります。
坐骨神経痛
坐骨神経痛とは、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症などを原因とし、腰から下部の臀部や脚に痛みやしびれを感じる症状です。