患者様の情報
70代 男性
疾患・症状
患者様の状態
20代の頃から腰を使われる仕事をされており、ぎっくり腰なども繰り返されていました。50代の頃から慢性的に腰痛が持続するようになり、お仕事にも支障が生じる事が度々あったとの事でした。今回、近所の知り合いが当院で治療を受けられ、改善したと聞かれ受診となりました。
診察と検査結果
腰のMRI検査ですが、第2腰椎から第1仙骨までの椎間板の容量が50%以上低下している状態で、変形も伴っています。それぞれ高度椎間板変性症と椎間板ヘルニアと診断致しました。慢性腰痛の原因となります。
施術内容
ディスクシール治療(Discseel® Procedure)
損傷した椎間板4箇所(L2/L3、L3/L4、L4/L5、L5/S1)に対してディスクシール治療(Discseel® Procedure)を行いました。
今回鎮静剤は使用しませんでした。局所麻酔の時間は1箇所につき15秒程で、注射針も非常に細い針を使用していますのでほとんど痛みを感じられませんでした。
椎間板が相当に潰れているので、治療用の管を挿入するのに特殊な形状をしているNST針を使用しています。無事に椎間板まで到達しております。
椎間板を検査しています。黒く映る部分にディスクシール治療(Discseel® Procedure)を行いました。ここまでで16分程でした。
院長の一言
当院では複数の鎮静方法を用意しておりますが、そのうちの一つである笑気麻酔の写真です。笑気麻酔は禁忌もあるので患者様毎に適切な鎮静方法を選択していきます。麻酔認定医が1名と麻酔専門医と指導医を有する者が1名おりますので、鎮静剤の使用はお手の物です。可能な限り患者様の不安と痛みを取り除きながら治療を行っております。
さて……昨日阪神タイガースは楽天に勝利しました。今日も引き続き期待しております!
治療法
ディスクシール治療(Discseel® Procedure)
治療期間
日帰り
治療費用
1,320,000円~1,650,000円(税込)
リスク・副作用
治療後2週間程度は一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。
この記事の著者
医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行
2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任
腰椎椎間板ヘルニア
腰椎椎間板ヘルニアとは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が外に飛び出し神経を圧迫する疾患です。坐骨神経痛、ぎっくり腰などの症状を引き起こします。
椎間板変性症
椎間板変性症とは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が変形する疾患です。椎間板の変形により、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症やすべり症など様々な病気につながる恐れがあります。