患者様の情報
60代 女性
疾患・症状
患者様の状態
昨年から運動をされると腰痛を自覚されておられましたが、今年2月頃から腰痛と坐骨神経痛が悪化する様になられました。近くの整形外科では腰椎すべり症と診断をされたために当クリニックを受診されています。
診察と検査結果
腰のMRI検査です。腰のクッション部分にあたる椎間板が変形し潰れています。この様な状態を椎間板ヘルニアや椎間板変性症と言います。同時に第5腰椎が前方にずれており腰椎すべり症と診断いたします。
施術内容
ディスクシール治療(Discseel® Procedure)
クッションである椎間板損傷部位4箇所(L2/L3、L3/L4、L4/L5、L5/S1)を治療し、炎症を改善させることで腰痛と坐骨神経痛の緩和を図りました。
患者様より治療中の様子を見ておきたいとご依頼を賜りましたので、鎮静剤は使用せず局所麻酔のみで治療を開始しております。
椎間板が潰れている部分では骨の変形も強いので、治療用の管の形状を変形させるなどの工夫が必要になります。
無事に治療用の管が挿入されましたので、患者間にも見えるようにモニターを移動させて検査や治療の様子をご説明致しました。
患者様もご覧になられた動画になります。椎間板を検査しているところです。この後椎間板治療を行っています。治療時間は17分で、2時間後には歩いて帰宅していただいております。
院長の一言
本日は治療後3年5ヵ月経過している69歳男性の患者様が来院されました。腰痛と坐骨神経痛は消失しており、車の運転や海外旅行にも行けるようになられていましたが、2ヵ月ほど前より右膝に痛みが出現するようになられたための受診となりました。診察の結果は変形性膝関節症でした。関節の病気であり腰は関係しないのですが、鎮痛薬と体重減量とリハビリをしていただく様にご説明しております。関節痛は腰の改善と共に日々の活動性が向上することで関節などに負担がかかることが原因で起こります。改めて体づくりは大切だと思いました。
治療法
ディスクシール治療(Discseel® Procedure)
治療期間
日帰り
治療費用
1,320,000円~1,650,000円(税込)
リスク・副作用
治療後2週間程度は一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。
この記事の著者
医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行
2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任
腰椎椎間板ヘルニア
腰椎椎間板ヘルニアとは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が外に飛び出し神経を圧迫する疾患です。坐骨神経痛、ぎっくり腰などの症状を引き起こします。
腰椎すべり症
腰椎すべり症とは背骨が前方や後方にずれてしまう疾患です。腰痛・足の神経障害の他に間欠性跛行(かんけつせいはこう)の症状を引き起こします。
椎間板変性症
椎間板変性症とは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が変形する疾患です。椎間板の変形により、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症やすべり症など様々な病気につながる恐れがあります。
坐骨神経痛
坐骨神経痛とは、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症などを原因とし、腰から下部の臀部や脚に痛みやしびれを感じる症状です。