患者様の情報
60代 女性
疾患・症状
患者様の状態
1年ほど前より左足に神経痛を自覚する様になられました。当初は整骨院などに通われていましたが、改善が乏しい事から近所の整形外科を受診され、リハビリや鎮痛薬などの保存的治療を試されるも神経痛が改善しないため、当クリニックを受診されています。
診察と検査結果
腰のMRI検査ですが第4腰椎と第5腰椎の間にある椎間板が潰れかけており、第4腰椎もわずかにずれを認めます。足の神経も圧迫を受けている部分があり脊柱管狭窄症と診断しました。
施術内容
ディスクシール治療（Discseel® Procedure）
損傷した椎間板1箇所（L4/L5）に対して検査を行ったところ、損傷が認められましたのでディスクシール治療（Discseel® Procedure）を行っております。
局所麻酔のみで治療を開始しております。腰椎の変形はひどくありませんでしたので、問題なく椎間板まで治療用の管を挿入する事ができました。
患者様に椎間板の検査結果と治療内容をご説明しているところです。
椎間板を検査している動画です。黒く映っている部分にディスクシール治療（Discseel® Procedure）を行いました。治療時間は13分であり、2時間後には歩いて帰宅していただきました。
院長の一言
現在、当院の看護師は4名おりますが、5月よりさらに看護師が2名増えます。新規治療の準備の為でもありますが、有給休暇を全て消化してもらうためです。私が研修医の頃には有給休暇の概念すらなく、24時間365日呼び出しされるのが日常であり、過労死する研修医もいたほどです。今でも一部の民間病院では有給休暇を消化する事もままならないと聞いておりますが、少なくとも当院のスタッフにはしっかり仕事してもらい、しっかり休んでもらいたいと思っています。
今回の治療法
ディスクシール治療（Discseel® Procedure）
治療期間
日帰り
治療費用
1,320,000円～1,650,000円（税込）
リスク・副作用
治療後2週間程度は、一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって、周りの筋肉や関節、靭帯などの広がりにより、筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。
関連するの疾患と症状
腰椎椎間板ヘルニア
腰椎椎間板ヘルニアとは、背骨の間にある椎間板（ついかんばん）が外に飛び出し、神経を圧迫する疾患です。坐骨神経痛やぎっくり腰などの症状を引き起こします。
腰部脊柱管狭窄症
腰部脊柱管狭窄症とは、背骨にある神経の通り道「脊柱管」が狭くなる疾患です。腰痛や足の神経障害、歩行困難などの症状を引き起こします。
腰椎すべり症
腰椎すべり症とは、背骨が前方や後方にずれてしまう疾患です。腰痛や足の神経障害の他に間欠性跛行（かんけつせいはこう）の症状を引き起こします。
椎間板変性症
椎間板変性症とは、背骨の間にある椎間板（ついかんばん）が変形する疾患です。椎間板の変形により、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症、腰椎すべり症などの様々な病気につながる恐れがあります。
坐骨神経痛
坐骨神経痛とは、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などを原因とし、腰から下部の臀部や脚部に痛みや痺れを感じる症状です。
この記事の著者
大阪本院 院長野中 康行
2002年：川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年：神鋼加古川病院（現加古川中央市民病院）勤務、2011年：医療法人青心会郡山青藍病院（麻酔科・腰痛外来・救急科）勤務・医療法人青心会理事就任、2018年：ILC国際腰痛クリニック開設、2020年：医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年：野中腰痛クリニック開設、2023年：医療法人蒼優会開設・理事長就任