患者様の情報
80代 男性
疾患・症状
患者様の状態
20年以上前に椎間板ヘルニアに対して外科的手術を2度行われましたが、両足の坐骨神経痛としびれが改善しない状態が続いておられました。年齢を重ねるにつれて歩く事も不便になられており、当クリニックを受診されています。
診察と検査結果
腰のMRI検査ですが腰全般にわたり椎間板が変形しており、椎間板ヘルニアと呼ばれる状態になっています。椎間板の厚みは20%ほどしか残っていない状態で高度椎間板変性と呼ばれます。また一部足の神経も圧迫を受けており、脊柱管狭窄症の合併も疑われます。
施術内容
ディスクシール治療(Discseel® Procedure)
椎間板4箇所(L2/L3、L3/L4、L4/L5、L5/S1)の損傷に対して検査と治療を行いました。
非常に細い針で局所麻酔を行っております。患者様はうつ伏せですのでお声をおかけしながらの処置を行いました。
治療用の管は特殊形状のNST針を使用しました。骨の変形も強く工夫も必要でした。
無事に治療用の管を椎間板まで挿入し検査を行っているところです。この後椎間板治療を行いました。治療時間は20分でした。
院長の一言
本日は8件の治療を担当されていただきました。年々治療件数が増えておりありがたい事です。その分朝早くから出勤し、診療にまつわる書類作成の量も増えており、今朝は5:30に出勤しております。早朝の気温はマイナス2℃でして凍える程でした。早く春が訪れてくれないかと思いながらの出勤となりました。
治療法
ディスクシール治療(Discseel® Procedure)
治療期間
日帰り
治療費用
1,320,000円~1,650,000円(税込)
リスク・副作用
治療後2週間程度は一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。
この記事の著者
医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行
2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任
腰椎椎間板ヘルニア
腰椎椎間板ヘルニアとは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が外に飛び出し神経を圧迫する疾患です。坐骨神経痛、ぎっくり腰などの症状を引き起こします。
腰部脊柱管狭窄症
腰部脊柱管狭窄症とは背骨にある神経の通り道「脊柱管」が狭くなる疾患です。腰痛、足の神経障害や歩行困難などの症状を引き起こします。
椎間板変性症
椎間板変性症とは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が変形する疾患です。椎間板の変形により、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症やすべり症など様々な病気につながる恐れがあります。
坐骨神経痛
坐骨神経痛とは、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症などを原因とし、腰から下部の臀部や脚に痛みやしびれを感じる症状です。