患者様の情報
60代 男性
疾患・症状
患者様の状態
10代の頃より重量物を持ち運ぶ仕事をされておられました。何度もぎっくり腰を繰り返されていましたが、休むと腰痛が改善する状態が続いておられました。コロナ禍の折には、仕事量が減っていたことから腰痛も落ち着いていた様ですが、現場の仕事が増えるようになり、慢性腰痛の状態となられました。当院へはお知り合いの紹介で受診されています。
診察と検査結果
腰のMRI検査です。特に第4腰椎と第5腰椎の間にある椎間板がほとんど消失している状態です。クッションである椎間板の機能が消失しており、椎間板変性症と診断致しました。椎間板は変形も伴っており、椎間板ヘルニアと診断致します。さらに足の神経も障害が生じかけており、脊柱管狭窄症の合併があります。
施術内容
DRT(椎間板再生治療)
椎間板周囲の炎症も懸念され、DRT(椎間板再生治療)を行いました。
DRT(椎間板再生治療)で使用する管は、ディスクシール治療(Discseel® Procedure)で使用する管よりも細く、PLDD(椎間板レーザー減圧術)で使用する管よりも柔らかいものを使用しますので、治療中の痛みが軽減されています。
第4腰椎と第5腰椎では隙間がほとんどなかった事から管の挿入に手間がかかりました。
DRT(椎間板再生治療)を行っているところです。治療時間は32分でした。
院長の一言
昨日は15:00からM-1の敗者復活戦に始まり、FINALで「令和ロマン」が優勝するまでテレビを見ておりました。私は奈良生まれ大阪育ちということも影響しているのか、お笑いが大好きで毎年この時期はM-1を楽しみに生きています。漫才コンビの「さやか」と「ロングコートダディ」を応援しておりましたが今年は残念でした。また今までで一番好きな漫才コンビは「ブラックマヨネーズ」と「笑い飯」です。さて今年もあと数日となりましたが、気を引き締めて診療に集中したいと思います。
治療法
DRT法(経皮的椎間板再生治療)
治療期間
日帰り
治療費用
1,430,000円~1,760,000円(税込)
リスク・副作用
治療後は内出血・腫れ・発赤・疼痛・かゆみ・変色・および圧痛が発生することがあります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。
禁忌事項
血液疾患に罹患中の方(血小板減少症、高度の欠乏性貧血など)、感染に伴う全身症状(発熱など)、癌・悪性腫瘍と診断され術後治療中の方は治療できません。
この記事の著者
医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行
2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任
腰椎椎間板ヘルニア
腰椎椎間板ヘルニアとは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が外に飛び出し神経を圧迫する疾患です。坐骨神経痛、ぎっくり腰などの症状を引き起こします。
腰部脊柱管狭窄症
腰部脊柱管狭窄症とは背骨にある神経の通り道「脊柱管」が狭くなる疾患です。腰痛、足の神経障害や歩行困難などの症状を引き起こします。
椎間板変性症
椎間板変性症とは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が変形する疾患です。椎間板の変形により、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症やすべり症など様々な病気につながる恐れがあります。