患者様の情報
80代 女性
疾患・症状
患者様の状態
3年前より坐骨神経痛を自覚されていましたが、症状も軽く様子を見られている状態でした。しかし10月に町内会で公園の大掃除をした後から坐骨神経痛が悪化し、外出も出来ない状態になられています。正月にはお孫様が里帰りされる予定であり、正月までに神経痛を改善させたいと希望され当院を受診されました。
診察と検査結果
腰のMRI検査です。相当に椎間板が潰れている状況です。特に第3腰椎と第4腰椎の椎間板は消失している状況です。椎間板周囲炎から坐骨神経症状が出現している可能性が高いと判断いたしました。
施術内容
DRT(椎間板再生治療)
治療が可能な椎間板は3箇所になります。第2腰椎と第3腰椎および第4腰椎と第5腰椎と第1仙骨間の椎間板になります。今回はDRT(椎間板再生治療)を行いました。
鎮静剤で寝ていただきました。個人的には鎮静剤の使用をお勧めしています。理由は患者様にとって辛い時間が無く非常に満足いただけるからです。
治療用の管を挿入する事は非常に難易度が高く、苦労致しました。椎間板が潰れすぎている場合には治療用の管が入らない場合もあります。今回は骨の変形も伴っていましたので、大変苦労いたしました。
苦労して治療用の管を挿入した後に検査を行っております。損傷部分も黒く映っており、この部分にDRT(椎間板再生治療)を行いました。
治療時間は27分でした。難易度が高い治療で久々に汗をかきました。
院長の一言
石田副院長もDRT(椎間板再生治療)を行って今日で1週間が経過しました。腰痛の改善が見られており11月29日にゴルフをすることになりました。腰痛が改善してもスコアが良くなるとは限りませんが一緒に頑張りたいと思います。
インフルエンザが猛威を振るっておりますが、晴天の中、自宅で大人しくしているのも体に悪いので昨日は奈良の正倉院に行ってまいりました。
人込みを出来るだけ避けて歩きましたが、鹿が寝ていて「ほっこり」しました。
治療法
DRT法(経皮的椎間板再生治療)
治療期間
日帰り
治療費用
1,430,000円~1,760,000円(税込)
リスク・副作用
治療後は内出血・腫れ・発赤・疼痛・かゆみ・変色・および圧痛が発生することがあります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。
禁忌事項
血液疾患に罹患中の方(血小板減少症、高度の欠乏性貧血など)、感染に伴う全身症状(発熱など)、癌・悪性腫瘍と診断され術後治療中の方は治療できません。
この記事の著者
医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行
2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任
椎間板変性症
椎間板変性症とは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が変形する疾患です。椎間板の変形により、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症やすべり症など様々な病気につながる恐れがあります。
坐骨神経痛
坐骨神経痛とは、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症などを原因とし、腰から下部の臀部や脚に痛みやしびれを感じる症状です。