患者様の情報
70代 女性
疾患・症状
患者様の状態
長年にわたり腰痛をお持ちでしたが、日常生活に関しては問題が無い状態であられました。しかし、今年の春頃より両足にしびれと神経痛を自覚するようになり、最近では長時間の歩行が困難となっておられました。ご本人様は小学3年生のお孫様のことを大切にされておられ、今年の秋にはコロナ禍後に初めて運動会が開催されることから非常に楽しみにされていたそうです。しかし、歩行に満足にできない事からご家族の反対で運動会に参加する事ができなくなり、悔しくて当院を受診されています。
診察と検査結果
腰のMRI検査です。第2腰椎から第1仙骨まで腰全体に渡り椎間板が潰れて変形している状態です。慢性腰痛や神経痛の原因となります。また足の神経の通り道である脊柱管も狭くなっており、脊柱管狭窄症と診断されます。
施術内容
ディスクシール治療(Discseel® Procedure)
椎間板に対して検査を行いつつ治療を行いました。
鎮静剤を使用しております。鎮静剤は短時間しか作用しませんので、ご高齢の方にも容易に使用する事ができます。
基本的に日帰りでの腰痛治療は治療用の管を挿入し、検査と治療を行います。治療時間は18分でした。治療終了後からしびれの改善が見られ、歩いて帰宅されています。
院長の一言
来月より新たな医師が神戸大学附属病院より当院に研修に来られます。石田副院長の後輩にあたり、腰痛治療の研修を強く希望されました。後進の医師を育成することは、人生において非常にやりがいのある事であると同時に責任がかかる事になります。患者様に対する責任も然りです。責任感を持って、さらなる技術および新規治療法の研鑽に励んでいきたいと思います。
治療法
ディスクシール治療(Discseel® Procedure)
治療期間
日帰り
治療費用
1,320,000円~1,650,000円(税込)
リスク・副作用
治療後2週間程度は一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。
この記事の著者
医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行
2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任
腰椎椎間板ヘルニア
腰椎椎間板ヘルニアとは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が外に飛び出し神経を圧迫する疾患です。坐骨神経痛、ぎっくり腰などの症状を引き起こします。
腰部脊柱管狭窄症
腰部脊柱管狭窄症とは背骨にある神経の通り道「脊柱管」が狭くなる疾患です。腰痛、足の神経障害や歩行困難などの症状を引き起こします。