患者様の情報

60代 女性

疾患・症状


患者様の状態

昨年11月頃より坐骨神経領域に疼痛やしびれなどの神経症状が出現し始め、近くの病院で脊柱管狭窄症と椎間板ヘルニアを指摘されました。その後も改善がなく、ご趣味のスポーツや愛犬とのドックランもできない状態であることから、この度当クリニックを受診されています。


診察と検査結果

MRI

このMRI写真では特に2箇所の椎間板が潰れた状態になっており、足の神経も圧迫を受けている状態です。いわゆる脊柱管狭窄症の状態で坐骨神経痛の原因となります。


施術内容

ディスクシール治療(Discseel® Procedure)

椎間板2箇所(L3/L4、L4/L5)が損傷しておりますが、その程度を検査し治療を行い、神経症状の改善を図りました。

治療風景①

患者様より、可能な限り痛みを感じない方法での治療をご希望されましたので、鎮静剤を用いて寝ていただきました。鎮静剤投与後20秒で眠られました。その後局所麻酔を用いながら、治療用の管を椎間板まで挿入してまいります。

治療風景②

管の位置が正しい位置にあるか確認しているところです。

間板の損傷部位や程度を確認しているところです。この検査には、ディスクシールテクノロジー社よりプロトコルが示されており、それに準じ検査を行っております。黒く映っている部分が治療箇所となります。

治療時間は15分程度であり、治療後すぐに患者様はお目覚めになられています。2時間後に歩行し帰宅していただきました。


院長より一言

椎間板治療歴は10年を超え、総治療件数は4,000件を超え、紹介患者様も多数に上っており非常に喜ばしく思っております。しかし、日帰り治療の有効率は全体で79%です。言い換えますと21%の患者様には残念ながら満足していただけておりません。1%の患者様といいますと、約840名の患者様になります。そのような改善が乏しい患者様に対し、笹山医師(リハビリ専門医)と共に腰痛特化型リハビリを行い、症状改善率の向上に努めております。腰痛特化型リハビリの有効率は現時点で42%であり、まだまだ向上の余地があるかと思います。今後も有効率を100%に近づけるべく、自己研鑽に限らず、各科(医師)との連携と協力、特に欧州と北米における知見の吸収に努めてまいります。


治療法

ディスクシール治療(Discseel® Procedure)

治療期間

日帰り

治療費用

1,320,000円~1,650,000円(税込)

リスク・副作用

治療後2週間程度は一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。


この記事の著者

医療法人蒼優会理事長・NLC野中腰痛クリニック院長:野中康行

医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行

2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任


腰椎椎間板ヘルニア

腰椎椎間板ヘルニア

腰椎椎間板ヘルニアとは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が外に飛び出し神経を圧迫する疾患です。坐骨神経痛、ぎっくり腰などの症状を引き起こします。


腰部脊柱管狭窄症

腰部脊柱管狭窄症

腰部脊柱管狭窄症とは背骨にある神経の通り道「脊柱管」が狭くなる疾患です。腰痛、足の神経障害や歩行困難などの症状を引き起こします。


椎間板変性症

椎間板変性症

椎間板変性症とは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が変形する疾患です。椎間板の変形により、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症やすべり症など様々な病気につながる恐れがあります。


坐骨神経痛

坐骨神経痛

坐骨神経痛とは、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症などを原因とし、腰から下部の臀部や脚に痛みやしびれを感じる症状です。